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ギャプランの設定を整理整頓しよう
 「ギャプランの設定をいいかげん確定させよう」、「ギャプランの設定を今度こそ確定させよう」とギャプランに関する考察を行ってきましたが、複数の資料を参照すればするほど矛盾が生じてきてしまい、逆に混乱を招くことになってしまいました。
 ここは、一度に全ての設定文を比較するのではなく、ある一面についてのみ比較するという手法で、ギャプランの設定を整理してみたいと思います。
 「ある一面」というのは、「開発目的・運用目的」「開発者・運用者」「機体にかかるGについて」「航続距離」です。
(1)開発目的・運用目的
全く新しいコンセプトで開発した空中戦闘用機である。(ZZ&Z保存版設定資料集、ジ・アニメ特別編集機動戦士Zガンダム)

本来、宇宙で使用するために開発された機体(ジ・アニメ特別編集機動戦士Zガンダム、別冊アニメディア機動戦士Zガンダム完全収録版)

元来この機体が強化人間用に開発された為である。(機動戦士Zガンダム大事典)

本来宇宙用に開発された機体(MS大全集、データコレクション4機動戦士Zガンダム上巻)

高高度迎撃用に開発された可変MA(MS大図鑑Part.2グリプス戦争編、ADVANCE OF Z Vol.4)

大気圏内においては高高度迎撃用の機体として使用されているが、本来は宇宙用に開発された機体である(ガンダムメカニクスIII)

強化人間がパイロットであることを前提に設計されている(機動戦士ZガンダムフィルムブックPart1)

本来宇宙空間用に設計されたものだったが、地上でのテスト運用も行われていた(機動戦士ZガンダムフィルムブックPart1)

ニュータイプ向けに開発建造したMA(機動戦士ZガンダムフィルムブックPart2)

 以上のことから、「本来は宇宙用」「本来強化人間用」「高高度迎撃用」という3つの説があることがわかります。フィルムブック2の「ニュータイプ用」というのは厳しい表現ですが(ギャプランが強化人間用とされるのは耐Gの問題であるため、ニュータイプ的な意味ではない)、まぁニュータイプ研究所で開発されたんだからニュータイプ用、という以上の意味はないと思いたいところです。
 さて、宇宙用と高高度迎撃用の住み分けについては、ガンダムメカニクスIIIとフィルムブック1が示してる通りで、「当初は宇宙用として開発されたが」「後に地上では高高度迎撃用として運用されることになった」ということなのだと思います。
 残る「強化人間用」という記述についてですが、多くの資料ではGの問題から強化人間しか扱えなかった、としていることを考えると、結果的に強化人間用になってしまった、つまりスペックを抑えて一般兵用にするのではなく、高すぎる負荷をそのまま残して強化人間用として実用化した、という意味であると考えればよいと思います。
 いつ強化人間用になったか、ということについては、いくつかの資料で「方向転換時のGがきつすぎることから強化人間が搭乗した」と記述されていることから、基本的には運用実験中にそう判断されたということなのだと思いますが、これが宇宙用として開発されていた時からなのか、それとも高高度迎撃機として運用されるようになってからなのかは判断できません。

(2)開発者・運用者
連邦軍が全く新しいコンセプトで開発した可変型モビルアーマー。(ジ・アニメ特別編集機動戦士Zガンダム)

オーガスタの地球連邦軍ニュータイプ研究所で開発された試作可変モビル・アーマー。(別冊アニメディア機動戦士Zガンダム完全収録版)

連邦軍が一年戦争後に全く新しいコンセプトで開発した空中戦闘用機である。(ZZ&Z保存版設定資料集)

オークランドのニュータイプ研究所で製造された可変MS(機動戦士Zガンダム大事典)

オーガスタ研究所で作られた変形M・S(機動戦士Zガンダム大事典)

連邦軍製可変モビルアーマー。(MS大全集)

・これはオークランドのニュータイプ研究所で開発された機体である。(ニュータイプ100%コレクション機動戦士Zガンダムメカニカル編1)

オークランドのニュータイプ研究所でテスト飛行を行っていた。(ガンダムメカニクスIII)

北米オーガスタのニュータイプ研究所で試作された可変式MA。(機動戦士ZガンダムフィルムブックPart1)

オーガスタ研究所からはベース・ジャバー装備のアクトザク部隊とともに、ブースターを装着したギャプランが発進しようとしていた。(HGUCギャプランインスト)

北米のオークランドにあるニュータイプ研究所で開発された(ADVANCE OF Z Vol.4)

 ものの見事にオーガスタとオークランドで分かれているのが泣けてきます。とりあえず、ORXの意味はオークランド製であることを考えると、登録はオークランドで間違いないのですが、実際の劇中ではオーガスタ研究所から発進していることを考えると、開発はオークランド、運用はオーガスタだったと考えたくなるところです。
 しかし、オーガスタ研究所で「開発された」「作られた」「試作された」という記述があることから、オーガスタも実機の開発に関わっていることも否定できません。
 ポイントは、ギャプランはGがきつく一般兵では運用できないために、ロザミアが使用することになったとする資料が多いことです。つまり、この時点で運用が(ロザミアを保有している)オーガスタに移ったということになります。
 となると、パイロットに一般兵を想定していた頃はオークランドが運用し、強化人間を想定した時点ではオーガスタが運用していたと考えることが出来ます。
 これにオーガスタでも「開発」されているという要素を加えると、オーガスタではロザミアに仕様を合わせたギャプランを新たに開発しているのではないか、という推測が出来ます。それが、熱核ジェットに換装されたギャプランだった、とか。
 つまり、ギャプランはオークランドが開発したが、強化人間でなければ使いこなせないことが分かると、オーガスタが強化人間用にギャプランを再開発した、ということになります。ここで熱核ジェットを採用したということであれば、それがオーガスタが再開発したギャプランであったと考えることが出来ます。ただ、AOZでは「オークランドが開発した高高度迎撃用MA」と明言してしまっているため、高高度迎撃という用途はオークランドが開発した時点でもすでに想定されていたと考えられます。

(3)機体にかかるGについて
・機体両側に装備されたバインダー型バーニアで、機体の方向を変えずに急上昇・急降下などの方向転換が可能である。ただし方向転換時のGに通常のパイロットではついていけないため、強化人間であるロザミア・バダムが搭乗してアウドムラ追撃に出勤した。(ジ・アニメ特別編集機動戦士Zガンダム)

・ただし、急激な方向転換によるGにテスト・パイロットがついてこれず、このテスト飛行はニュータイプ研究所へと引き継がれ、っここで開発されたいわゆる強化人間のパイロットによって行われた。

・マルチ可動システムによって機体方向をかえることなく急上昇、降下が可能となったため、通常のパイロットではGに対応できず、オーガスタのニュータイプ研究所に引継がれ、パイロットとして対G仕様の強化人間ロザミア・バダムが搭乗する。(ZZ&Z保存版設定資料集)

・飛行(MA)モードの時にはほとんどのノズルが後部に向けられる為、その時の加速はほとんど爆発的なものである。しかし、そのGには一般人ではほとんど耐えられる物ではない。これは元来この機体が強化人間用に開発された為である。だがまれに耐えるものもいて、ヤザンが宇宙でしばらく使用していた。(機動戦士Zガンダム大事典)

・マルチ可動システムの機体は、このバーニアを使って方向を変えることなく急上昇と下降が可能となったが、普通のパイロットではこの際に加わるGに耐えきれないため、オーガスタのニュータイプ研究所で作り出された対G仕様の強化人間、ロザミア・バダムがパイロットとして乗り込んだ。後にこの欠点は改良され、ヤザン・ゲーブルも使用した。

・アクティブスラスターユニットの採用により、機首方向を変えることなく、急激に方向転換を行うことも可能であり、機動性能は非常に高い。しかし、その際にかかるGにはほとんどの一般人パイロットが耐えられない。このためテスト飛行は、強化人間パイロットで行われた。(ガンダムメカニクスIII)

・ムーバブル・シールド・バインダーの大推力は強烈な"G"を生み、ギャプランを強化人間専用の機体としてしまった。そのため、常人パイロットへの負担軽減も含めてギャプランTR-5にはT3部隊でテストされていたシールド・ブースターを装備したのである。(ADVANCE OF Z Vol.5)

 当初の設定では、「連邦軍が開発→ニュータイプ研究所に移管」という流れだったようで、ほとんどの資料の記述が一致しています。ただし、形式番号がORXである以上オークランド研究所製であることに変わりなく、やはり当初はオークランドで開発され、後にオーガスタが運用したという流れで考えるべきかなと思います。
 面白いのは、Zガンダム大事典だけ大きなGがかかる理由を「加速のため」としていることです。ただ、これにはヤザンも耐えているとあり、またそのような仕様になっているのは強化人間の運用を前提としているからだとしているのに対し、方向転換によるGについては「改良された」上でヤザンが使用していること、実際にAOZでは当初シールドバインダーに挿げ替えていたギャプランTR-5を、通常のバインダーで実戦投入していたことから考えると、「方向転換のためのGは後に改良された」が「加速のGはそのままであった」と考えるべきかなと思います。そもそも通常のギャプランの加速で耐えられないならファイバーの加速で死んでしまう。
 ただ、加速のGについては、「元来強化人間用に開発された為」という記述に繋がっているため、強化人間用にチューンされたために加速性を高めたことが原因であると考えてもいいのかもしれません。当初のギャプランにはそこまで爆発的な加速力はなかったと。

(4)航続時間
・本来、宇宙での使用のために開発されたので、地上ではブースターをつけなければ長時間の空中飛行はできない。(ジ・アニメ特別編集機動戦士Zガンダム)

・本来、宇宙で使用するために開発された機体なので、地上ではブースターなしでの長時間飛行はできない。(別冊アニメディア機動戦士Zガンダム完全収録版)

・欠点としては、地球上で使用する場合、エネルギーを多量に使用するので機体のプロペラントだけでは不足してしまい、巡航中はブースターを使用しなければ航続距離が極端に短くなる(機動戦士Zガンダム大事典)

・本来宇宙用に開発された機体で、大気圏内では長時間の飛行はできない。(MS大全集)

・機体形状の飛行特性はアッシマーに劣り、航続時間は短い。だが、本来この機体は高高度迎撃用に開発されたもので、大型ブースターによって成層圏まで打ち上げられ、後は半ば自由落下状態で戦闘するように想定されているため、さほどの問題ではなかった。(MS大図鑑Part.2グリプス戦争編)

・本来は宇宙用に開発された機体であり、大気圏内では長時間の飛行は出来ないが、ブースターを装着すると、衛星軌道まで到達できる。(データコレクション4機動戦士Zガンダム上巻)

・地球上で飛行した場合、プロペラントの消費が激しいため、長距離の航続にはブースターの使用が不可欠である。(ガンダムメカニクスIII)

・その形状、ブースターオプションの存在などから見て、単独で衛星高度まで上昇し、再突入を可能とする機体を目標としていたものと見られる。(機動戦士ZガンダムフィルムブックPart1)

・ギャプランの稼動領域は中/高々度を主眼としており、ブースターの使用によって圧倒的な推力を発揮する。(中略)無論、さらに大気上層へ進出しての空間戦闘も想定されており、例えば降下部隊の母艦や艦隊の要撃も想定されていたといわれている。(HGUCギャプランインスト)

 劇中での描写から見ても分かるように、ギャプランは通常航行においてはブースター(あるいはSFS)を使用しないとプロペラントが不足してしまうようです。これは間違いないと言えるでしょう。
 EBでは元々多量のプロペラントの使用を想定していないから問題ない、という記述になっていますが、これもまたその通りなのでしょう。では、宇宙用として想定されていたギャプランは、何故プロペラント不足にならない計算だったのでしょうか。宇宙の方が、プロペラントの消費は激しそうに思えますが。
 思うに、「当初は宇宙用」という設定は、単に空間戦闘用という意味ではなく、「地上から打ち上げて宇宙まで上がる」という意味だったのではないでしょうか?「宇宙用」と「高高度迎撃用」というのは実は同じ意味でしかなかったと。
 つまり、(1)でいう「宇宙用」と「高高度迎撃用」の違いは、単純に「打ち上げた後に大気の外に出るか出ないか」の違いでしかなかったのではないか、ということになります。
 そう考えると、EBで熱核ジェット推進となっているのは、宇宙空間に出るという選択肢を排除し、純粋に高高度までの運用に絞ったことで導入されたものだと考えることが出来ます。ただ、それは効率上の問題でしかなくて、熱核ジェットを採用したからといって航続時間が飛躍的に延びたということはないのだろうと思います。全ての推進器が熱核ジェットになっていたとも思えませんので。

 まとめます。
(1)オークランド研究所が、地上から打ち上げて宇宙空間まで上昇できる防空迎撃機としてギャプランを開発。
(2)一般のパイロットでは機体の方向転換のGに耐えられないことが発覚。オーガスタ研究所の強化人間ロザミア・バダムによりテスト運用されることになる。
(3)オーガスタ研究所、運用領域を高高度までに絞り、熱核ジェット推進を採用した機体を開発。
(4)その後方向転換のGを(おそらくはデチューンという形で)改善し、熱核ロケット推進を採用した宇宙用の機体を再開発。

 これで綺麗さっぱりギャプランの設定も整理できた…のではないでしょうか!?
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ギャプランのパイロット
外伝の一つ“機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル”ではエリシア・ノクトンが乗ってますね。ただ彼女が乗る機体は改造されてますがT3で試されたシステムや武装は採用されてません。(一応試作機のパーツを装着してますが)
2009/02/03 (火) 22:14:35 | URL | YF-19k(kyousuke) #vOF08ZPo[ 編集 ]
ギャプランの可変機構はまんま「GT-FOUR」ですよね。
作品の発表された順はともかく、宇宙世紀の歴史としてはGT-FOURの方が早いですし。そう考えると、GT-FOURはRX-272ハーピュレイにも影響を与えているのかも…。
それに「GT-FOURの研究開発が後にギャプランやアッシマーに結実した」とありますからねw

MJ(模型情報)Vol125号「ガンダムMSファイル」ギャプラン編では
「強化人間とのシンクロ用に調整された機体もあった」との記述がありますが…。
強化人間とのシンクロ用?何をシンクロさせるんだ?
ギャプランにはサイコミュ的な機器が装備されているのかッ!?
2009/02/03 (火) 22:22:54 | URL | コンラッド #8l8tEjwk[ 編集 ]
一応ですね、設定上の推力しかないなら、加速Gで死ぬことはないと思います。
SガンダムのBst型は設定からして10G加速が可能ですし・・・(全備重量220tに対し2000tオーバーの推力がある)
2009/02/04 (水) 00:15:04 | URL | 叡天 #-[ 編集 ]
>急激な方向転換によるG

これさえやらなければ、通常パイロットでも運用できたという逆説が可能ですよね?
”サリッサ計画機”はそんな”高々度迎撃仕様”だったとか?
確かサリッサは、強化人間検体の幼女が出てくるんで、オーガスタだったよなぁ・・・・
発掘デキン・・・orz
2009/02/04 (水) 07:38:50 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
>YF-19kさん
エリシアカスタムは強化人間用のカスタムで間違いないでしょうね。
バインダーが左右対称でないあたりかなり玄人向けだと思います。

>コンラッドさん
GT-FOURはコンセプト的にはアッシマーに、機構的にはギャプランに近いですね。
両方に影響を与えているという意味でも、
実はシグマガンダムが直系の後継機なんじゃないかと思ったりもします。

ギャプランにNT用デバイスが装備されているという記述もあるみたいです。
時間があれば探してみたいのですが、オーガスタ製のギャプランに搭載されていたのかも知れません。

>叡天さん
単純に耐Gの問題というのも影響してくるかもしれませんね。
初期のギャプランはリニアシート搭載じゃなかったとか。

>とっぱさん
サリッサは全くの未見なんでわからないのですが、
おそらくバインダーによる方向展開以外は一般兵でも大丈夫だったのだと思います。
ヤザンがギャプランを「重い」と表現していたのは、
そこがデチューンされていたんだろうなと。
2009/02/05 (木) 21:54:21 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
地球に降下する敵部隊を攻撃するというのは連邦にとって魅力的なコンセプトだったでしょう。
大気圏突入する敵部隊は非常に無防備な存在になるというのはファーストでもZでも劇中に表現されています。
ギャプランがZのような大気圏突破能力があるという設定は無いのかもしれませんが・・・
宇宙用としては他のMSが重力圏から離脱できなくなる低高度まで敵部隊を追跡し攻撃する(強力な推力あったればこそ)。地上からの運用なら高高度までいっきに上昇し、敵が戦闘機動を可能になる前に攻撃するということが考えられます。
推進剤の必要量については一概に言えませんが重力と大気の壁を突き破る分、高高度要撃の方が悪条件かとも思えます。
また高高度要撃は如何に短時間で目標に接触するかが勝敗の分け目となると考えられ、加速は出来れば出来るほどよいと思われます(強化人間有利)。バインダーによる推進力方向の変更によるトリッキーな動きはギャプランの強みでしょうが、これに関しては飛行制御プログラムにリミッターを入れるなりで一般人向けにするのは容易と考えられます。
2009/02/10 (火) 23:49:00 | URL | T #LkZag.iM[ 編集 ]
なるほど、加速が出来れば出来る程よいというのはその通りですね。
スピードを追求した結果、強化人間専用機とするのが良いということになったと。

ギャプランがジャブロー攻撃に間に合っていたら、面白い戦闘シーンになっていたような気がしますね。
2009/02/12 (木) 19:17:42 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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