がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
ガンダムMk-IIIの開発史を考証する(修正版)
 ガンダムMk-IIIというMSは、ガンダムMk-IIの直系の後継機でありながら、設定がはっきりしない微妙な機体です。
 今回は、まずはガンダムMk-IIIという機体がどのように設定されていったのか、その過程を明らかにしながら設定を整理してみたいと思います。なお、ここでは一旦「イグレイ」を考えずに進めます。

1.初出資料
 初出資料は以前紹介した、月刊OUT内の企画である、藤田一己氏自ら執筆したZガンダムの設定コラム(?)「Zワールド」であると思われます。
 これの第2回、ガンダムMk-IIの項に、ガンダムMk-IIの発展型の想像図という形でMk-IIIのイラストが掲載されています。
アドバンスドガンダム
 この時点の設定では、「機能は先進的でも性能は他機種に劣る」ことから「Mk-IIがエゥーゴに奪われたのを機に開発の中止命令が出された」とあり、また「Mk-IIの欠陥を解消し、機能強化型に発展させた真のアドバンスド・ガンダムのプランはすでに提出されていたと聞いている」と記述されています。
 つまり、「Mk-IIの開発は中止された」が「Mk-IIIの設計案は存在していた」上に、その図案もあったというのがこの時点での設定でした。

2.Z-MSV
 さて、Zガンダムの放映終了後には、MSVの展開が予定されていました。ZZの製作決定により中止されましたが、作られた設定自体は雑誌「B-CLUB」において公開されており、その中にはガンダムMk-IIIの設定もありました。
 B-CLUB5号がその初出なのですが、ここでは「Mk-IIを調査したアナハイムのフジタ技師長をチーフとする開発チームが、新世代モビルスーツ案としてMk-IIの発展型を提出した」という設定になっています。この時点で、Mk-IIIはアナハイムで開発された機体となりました。

3.IRON HEART
 B-CLUB7号では、藤田氏自らが執筆したショートコミックという形でガンダムMk-IIIが登場したのですが、これが「アムロ率いる宇宙用ディジェ部隊の敵対機」として描かれていました。それがティターンズなのか、連邦軍なのかは作中では判別できないのですが、少なくともこの作品内でMk-IIIを運用していたのは、エゥーゴやカラバではなかったと考えられます。

4.モビルスーツ発展史
 その後B-CLUB20号において、モビルスーツ発展史Vol.1としてZ-MSVを含めたガンダム系MSの系譜が整理されているんですが、実はここでは、ガンダムMk-IIIとフルアーマーガンダムMk-IIは、どちらも「連邦軍が開発した」としているんです。Mk-IIIに関しては、「可変MSの開発により中断されてしまった」としています。

5.M-MSV
 それから少し間を置き、雑誌「SDクラブ」において展開された大河原氏デザインの新MSV、通称「ミッシングMSV」において、フルアーマーガンダムMk-IIIというものが設定されました。ただし、「Mk-IIIは設計段階で打ちきられこのプランも実現されなかった」とあり、大きな設定の変化はありません。ただ、所属は「エゥーゴ」であると設定されています。

6.SDガンダムGジェネレーションゼロ
 それから10年以上の月日が流れ、PSのゲーム「Gジェネゼロ」オリジナルMSとして、ガンダムMk-IVというMSが設定されました。このMSは、「オーガスタ研究所が、アナハイムから入手したガンダムMk-IIIのデータを元に開発した機体」という設定で、外見が似ているわけでもデザイナーが同じなわけでもありませんが、MSF-008という形式番号も与えられています。(実際に登録されたのはORX-012という番号ですが)

 以上が、「MSF-007 ガンダムMk-III」というMSの設定が作られていった過程です。整理すると以下のようになります。

・ガンダムMk-IIは失敗作とされ、後継機の開発は中止された。
・ガンダムMk-IIを入手したアナハイムも同様の評価を下したが、ポテンシャルは評価された。
・フジタ技師長のチームが発展型であるガンダムMk-IIIを提案した。
・可変MSの開発が優先され、フルアーマー案も含めて廃案となった。
・しかし、データはオーガスタ研究所に流れ、ガンダムMk-IVを生み出した。

 ここで重要なのは、「ガンダムMk-IIIという機種はエゥーゴの要求で開発された機体ではない」ということです。ここまでの設定で見ると、あくまで「アナハイム社内で生まれた設計案」だということですね。SDクラブでは所属がエゥーゴであるとしていますが、これは便宜上のものであり、実際はアナハイムが独自に開発した機種というのが実情なのだろうと思います。
 当時のアナハイムは、それこそZプロジェクトの真っ最中でしたし、非可変MSにしても百式改やら量産型Zガンダムやらと間に合っていました。そこにいきなり「ガンダムMk-IIIってどうです?」ともっていっても相手にされるはずがないわけで、廃案も当然と言えるでしょう。
 しかし、ならばということでこのデータをオーガスタに売り、ガンダムMk-IVが開発されるわけです。この機体は形式番号にMSF-008とあるためアナハイムで製造されたと考えられます。アナハイムとしては、その見返りに何か得ている可能性が高いのですが、インコムは量産型サイコガンダムから得ているという設定もありますので、現時点では不明ということになります。ギャプラン改とかそのあたりですかねぇ。
 さて、問題は「IRON HEART」でアムロと戦ったMk-III。これがどういう設定なのかということなんですが、アムロが宇宙に上がっている以上、少なくとも「ダカールの日」よりも後の話ということになります。ついでに言えば「グリーンダイバーズ」よりも後になるでしょう。ということは、キリマンジャロ戦よりも後ということになりますから、後述のイグレイと結びつけるのも困難です。
 そこで考えられるのが、「オーガスタに流れたMk-IIIのデータ」というやつですね。これを基に連邦軍(あるいはティターンズ)が、Mk-IIIの実機を完成させていたとすれば、辻褄は合います。
 ところで、このMk-IIIの所属が連邦軍かティターンズかという話なのですが、アムロが宇宙にいるということはダカール演説後、つまりエゥーゴが連邦軍の主導権を握った状態であったと考えられます。そうであるなら、アムロの部隊が正規軍と敵対するはずがなく、必然的にMk-IIIはティターンズ製であると言えるわけです。

 つまり、過程を纏めると以下のようになります。

1.グリプスにおいてガンダムMk-IIの開発計画が中止される。
2.アナハイムにおいて、フジタ技師長のチームがMk-IIの開発を引き継ぎ、Mk-IIIを設計。
3.アナハイム内でのMk-IIIは廃案となったが、オーガスタ研究所にデータが流出する
4.流出したデータを基にティターンズが一定数生産

 この過程が事実であったとするならば、ティターンズは自分達が一回却下したプランをアナハイムが完成させたものを手に入れ、結局採用することになったという結果になったことになります。初めから素直にMk-IIIを開発していたら、エゥーゴに勝てたかも知れませんね…。

 さて、ではこれ以外のガンダムMk-IIIもご紹介。

1.ガンダムMk-IIIイグレイ
 モデルグラフィックスが独自に設定したガンダムMk-IIIがこちら。Z-MSVが作られる前に、OUTに掲載されたガンダムMk-IIIのデザインに設定を与えたものです。
 小田雅弘氏が設定を与え立体化したもので、RX-166の形式番号をもつ、キリマンジャロで開発された機体としています。開発はティターンズではなく連邦正規軍で、カラーリングは青と白となっています。
 別冊「ミッションZZ」では更に設定が加えられ、キリマンジャロ基地のグループがグリプスから設計図を取り寄せ、独自に完成させたものの、カラバのキリマンジャロ基地攻撃により試作機・設計データは共に失われてしまったということになりました。なお、ガンダムMk-IIIの名は承認されていないため、愛称であるイグレイの方が有名であったとも記されています(アルトアイゼンみたいなものですな)。
 これは、アナハイム製Mk-IIIとは別に開発された機体と考えられますが、デザインは共通の設定画を元にしていますので、ほとんど同じ外見をしています。スペックが異なるため同一機とも言えません。
 デザインの過程を考えるのであれば、グリプスですでに提出されていたという「機能強化型に発展させた真のアドバンスド・ガンダムのプラン」が当初からあって、このプラン自体がキリマンジャロにもアナハイムにも流れたのだと考えるべきなのではないかと思います。キリマンジャロはともかくアナハイムにどういう形でそのプランが流れたのかということになりますが、同じ「Zワールド」によると「グリプスのMk-IIに関する情報は我々(アナハイム)に筒抜けでしたので」ということだそうですから、まぁ普通に機密漏洩してたんでしょう。
 同様に考えれば、Bクラブ20号においてFAMk-IIとMk-IIIが連邦開発扱いになっているのも説明できます。元々連邦で開発されていたものを、アナハイムが引き継いだと考えればいいわけですからね。

2.グーファー
 ゲームブック「エニグマ始動」に登場する、ガンダムMk-IIの直系の後継機であり、連邦軍の次期主力機と目されている機体です。形式番号は設定されていませんが、ガンダムMk-IIIと呼ばれる機体の一機です。
 ただ、この機体はセミモノコックであるとされており(もっともマラサイやバーザムがモノコック機扱いなので極めて信憑性の低い設定なんですが)、また量産されていることから考えても、実質的にはジムIIIとジェダの中間機種かなんかなんじゃないかという気もします。
 とりあえずガンダムMk-IIIと結びつけるのであれば、アイアンハート版のティターンズ製Mk-IIIの量産型ということになるのではないでしょうか。

3.新MS戦記版ガンダムMk-III
 新MS戦記に掲載されている近藤氏のコミック「THE DOG of WAR」に登場するガンダムMk-III。デザインはZ-MSVのものとほとんど同じですが、設定画も形式番号等の設定もありません。ただし、量産されています。
 関連付けるのであれば、配備時期的にもポジション的にも上記のグーファーとほぼ同一機なのではないかと思います。

4.サイドストーリーオブZ版ガンダムMk-III
 近藤氏によるZガンダムのIF世界を描いたコミックに登場するガンダムMk-III。この世界ではエゥーゴはジオン残党であり、ティターンズがガンダムMk-II、Mk-III、百式改を量産しているという設定なのですが、これに登場するガンダムMk-IIIが、RX-178Rという形式番号で、ムーバブルフレームを単純化した強化型という扱いになっています。
 基本的にIF機体なんですが、もしティターンズがMk-IIIを却下していなかったら、このような機体が生まれていたのかも知れません。

 これらも含めて纏めます。

1.グリプスにおいてガンダムMk-IIの発展型のプランは提出されていたが、開発計画は中止された。
2.発展型のプランはキリマンジャロ基地が引き継ぎ、「イグレイ」として完成。(しかし後に焼失)
3.一方アナハイムでも発展型のプランを入手しており、これを参考にフジタ技師長のチームがMk-IIIを設計。
4.アナハイム内でのMk-IIIは廃案となったが、オーガスタ研究所にデータが流出する。
5.流出したデータを基にティターンズが一定数生産。
6.その後「グーファー」の名前で連邦軍が採用、一定数量産される。

 こんな感じで、Mk-IIIに関してはある程度決着できたのかと思います。いかがでしょう。
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コメント
コメント
>グーファー ゲームブック「シャアの帰還」

ZZゲームブック「エニグマ始動」じゃよ。
一応、イラストと”MarkIII”という呼称は確認出来ます。

あと「新MS戦記」のMK-III(複数機)。
連邦・アナハイム発注機かな?
2009/01/12 (月) 23:45:16 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
ご指摘ありがとうございます。修正しました。
わかってたのに間違えてしまった…(汗)

グーファーってデザイン的には他のMk-IIIと同じなんですかね?
2009/01/13 (火) 21:35:30 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>グーファー
デザイン的にはかなり独特。
不鮮明なイラストからは、腕部がどちらかというとカクカクしていてMK-II的なイグレイに近いか?
2009/01/13 (火) 22:25:07 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
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2009/01/14 (水) 01:41:34 | | #[ 編集 ]
あぁ、詳細が判別できるイラストではないわけですね。ありがとうございます。
近藤版Mk-IIIを更に量産向けに改良した機体って感じですかね。
2009/01/14 (水) 20:03:43 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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