がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
スペースノイドの参政権
 ガンダムUCにおいて、スペースノイドにまともな参政権がなかったことが明らかにされました。もっとも、最新のグレメカDXにも書いてありましたが、総人口の大半がスペースノイドであるのにアースノイドが実権を握ってる時点で、すでに多数決の論理は働いてなかったわけで、納得のいく設定ではあります。

 この事実に基づき、もう少し深くスペースノイドの歴史というものを考えてみます。

 ガンダムUCにおける設定をもう少し正確に記述すると、「スペースノイドは中央議会に対する参政権がない」「スペースノイドはサイドの首長を決める権限がない」「スペースコロニーは地球上の国家と異なり、地球連邦政府直轄の地方自治体である」というものです。
 日本で例えると、衆議院・参議院の選挙権がなく、都道府県知事・市町村長の選挙権もなく、国が送りつけて来た役人が首長を務める地方自治体といったところでしょうか。自治体というか、コロニー=植民地の名は伊達じゃないですな。
 とはいえ、全く選挙権がなかったわけではないと思うんですよね。市議会議員選挙にあたるサイド議会選挙の選挙権くらいはあったんじゃないでしょうか。そんな議会があるかどうかもわからないのですが、さすがに首長の完全独裁ってことはないでしょうし。サイドに議会があったとすれば、主張との関係はアメリカの大統領と議会に似た関係だったりしたのかもしれませんね。それであんまり首長を選べないことにコロニー市民が疑問を持たなかった…とか。

 ともあれ、これではエゥーゴのような組織が出てくるのも致し方ないですね。民主主義とはとても呼べない代物ですし。これで「絶対民主主義」って言ってたんですねぇ。
 ただ、エゥーゴの主張がコロニーの自治権獲得やスペースノイドの権利向上にとどまらず、「全人類を宇宙に上げる」ということであったというのには、少し疑問が付きまといます。
 確かに、人類が全てスペースノイドになればアースノイドとの差はなくなるんですが、そこまでしなくても権利の平等は達成できるはずなんです。それでも全人類スペースノイド化を考えた、というのは、結局アースノイドとスペースノイドの絶対的な差というのは、権利身分ではなく住環境だったからなんでしょうね。全てのスペースノイドが地球に下りるのはキャパシティ的に不可能ですから(ガイア・ギアではそれをやろうとするんですが)、逆にアースノイドが宇宙に来ればいい、という発想なんでしょう。
 これは究極の平等策ですよね。白人と黒人の対立に例えると、全ての白人は黒人になれって言ってるようなものですから。これは生物学的に不可能ですけど(いやできることはできるけど、強制交配しないと…)、アースノイドとスペースノイドはあくまで住環境の区別でしかないから、そういう論理が通ってしまうわけです。
 …うーん、ここまで考えた富野監督はやっぱり凄いですね。

 さて、コロニーがそういう環境であったなら、サイド3の独立というのがどういう意味だったのか、というのがなんとなく見えてきます。一年戦争前のジオン公国としての独立と、戦後のジオン共和国としての自治権確保の違いです。
 サイド3は、ジオン・ズム・ダイクンがジオン共和国を設立した時点で連邦軍の支配から脱し、ジオンを首相とする独立国家になっています。しかし、この独立は連邦政府が認めていないでしょうから、認めさせるためにジオン公国となって戦争を仕掛けました。
 一方、戦後のジオン共和国は、自治権を認められており、それを0099年に放棄しています。これはジオン共和国が、スペースコロニーから地球における連邦を構成する国家同様に、正式に首長を選ぶ権限をもつ自治体になり、その後0099年に元のサイド3に戻ったということになるのでしょう。中央政府への選挙権まで持っていたかは、なんともいえないところです。

 それから50年も過ぎて、Vガンダムの時代には宇宙戦国時代というものが到来しているわけですが、これはどういうことなのか、考えてみます。
 ここまでにコロニーが自治権を得たという設定は無いので、法制上は植民地状態のままでありながら、中央政府が事実上各サイドに大きな裁量権を認めているという状態なのでしょうか。だとすれば、何故そういうことになったのか、という話になります。
 連邦政府がコロニーに自治権を認めなかったのは、民主主義を維持したまま、スペースノイドに実権を与えないためであると思われます。それが、事実上自治権を認めたような状態になってしまっているというのは、アースノイド優位の政治を維持することをやめてしまっているということにもなります。とはいえ、コロニー側も地球の意向を無視して独自のコミュニティを形成しようとしていた可能性が高いです。いわば相互不干渉状態にあったということですね。アースノイドがスペースノイドを縛り付けるのをやめたら、スペースノイドもアースノイドに絡むことが無くなった、ということでしょうか。
 なんというか、こうなっていく過程が、ガンダムUCの結末で語られてるような気がしてきました。コロニーに一定の自治権が認められた、というオチもありうるかも知れません。
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2009/01/08 (木) 12:07:15 | | #[ 編集 ]
コロニーの人々は自分達が参政するのをあきらめ、自らで政治を切り開いた、と見ることもできますね。

>宇宙戦国時代

確かクロスボーンバンガードの件以降、コロニー側が軍備の増強を求めたのを無視して、連邦はそれを静観するだけでしたね。

今までなら静観なんかしないで統制(虐殺含めて)してきたのに連邦にはもうそんな気力も無かった、と。

国としてはもはや最悪の状態ですねw

ガンダムUCのラストは考えてみると予想しにくいですね。




2009/01/08 (木) 17:57:55 | URL | クレア #I4t1ZHtI[ 編集 ]
はじめまして
通りすがりにすみません。
公式ではないですが、鋼鉄の7人の最終回で月への遷都の記述があったんですが、あれは結局どうなったのでしょうか?
地球連邦の本部が宇宙に上がったら、オールスペースノイド化したようなものですよね。

2009/01/08 (木) 21:47:25 | URL | 通りすがり #OJ8cLibY[ 編集 ]
>ロウさん
Vの時代の連邦政府は何らかの理由で相当に求心力が弱まっていたんでしょうね。
日本の戦国時代にも一応室町幕府はありましたが、機能していなかったわけですし。

ザンスカールの恐怖政治も、連邦のように全地球規模で人類を統括できるものがなくなったが故の、
民衆を纏め上げるための一つの結論だったのかも知れません。

>クレアさん
逆に連邦に頼らなくても自給自足で賄える体制が整ったとも考えられますね。

連邦は、多分「ラプラスの箱」がなくなってスペースノイドを強く縛れなくなったんだと思います。
それが具体的にどういう意味なのかは、ガンダムUCの結末次第となりますけどね。

>通りすがりさん
確かに、Vの時代には連邦本部が月にあるんですよね。
そのことが逆に連邦の弱体化を加速させたのかも知れません(地球至上派と遷都派で分裂したとかで)。
また、本部が月にあるということは地球を統括する力も弱まったということで、
ベスパの地球侵攻もほとんど防げなかったというのは、
地球の各方面軍が自分達の地域だけ守れば良く、地球全土を防衛するという発想がなくなっていたからなのかもしれませんね。
2009/01/08 (木) 22:27:28 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>「スペースノイドはサイドの首長を決める権限がない」
>国が送りつけて来た役人が首長を務める地方自治体

おっしゃるとおり完全な植民地。
赴任しているのは総督と呼ばれていたかどうかが問題ですね(笑)

と考えると、前に言った、「軍人が総督を兼任することで中央政府に議席を持つ」ということが不自然ではなくなる気がいたしますです。

この辺りを通過点として官僚なども議員へとなっていく過程があるような。

国防族にとっては、大事なつながりになるような気もしますねぇ。
2009/01/20 (火) 22:41:05 | URL | 陰鏡 #nL6A2.tM[ 編集 ]
Zガンダム劇中の台詞を尊重するならサイドの首長は「市長」ということになりそうですが(笑)、
まぁそれはともかくとして、軍人がコロニーの首長になれたかどうかというのは極めて判断が難しいところです。
ただ、連邦政府的にはコロニーは僻地でしょうから、
コロニーの首長として派遣されてくる人間は、左遷に近い扱いだったのかなぁ、なんて思ったりはします。
2009/01/21 (水) 22:02:14 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>左遷に近い扱い
これはおそらく仰る通りでしょうね。
もしくは「帰れば昇進が約束されている議員のボンクラ息子が箔づけの為に行く閑職」とか。

市長については、一般のサイドと直轄領(サイド7などの開発中地域や月面のジオン公国から接収した都市)で違うのではないかな?と思います。

オーストラリアなどは「総督」の下に大統領がいるというスタイルだったりするので。自治権として「市長」を選ぶ権利はあるが、その上に「総督」があり、市長は地方自治体としての内政のみに過ぎず、県的な機能(警察・教育・交通など)は総督に所属し、中央議会への議席がないということも考えられるかな?と思う訳です。

総督は首長ではないですし、軍事的な側面が強いことと、地球連邦政府が軍部との蜜月関係にあったことも考えると、軍人に門戸を開く最も有効な手段であったと考えられる訳です。

といっても「断じる」訳にはいかないですが(笑)
2009/01/25 (日) 15:49:17 | URL | 陰鏡 #nL6A2.tM[ 編集 ]
総督って、すでにある国家を制圧して植民地にした場合に置かれるものなのかなというイメージがあって、
初めから植民地として設置されたコロニーに置かれうるのかなという気がします。

まぁ、政府が派遣してくる首長というのが事実上総督みたいなものなんでしょうし、
同じ政府直轄という意味でコロニー首長と宇宙軍は共謀できそうな関係である以上、
何らかの利権的なつながりはありそうですね。
2009/01/25 (日) 22:08:57 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
現在でも総督が置かれている国はありますし、あくまで属州に配置される「地方長官」としての位置づけであると考えた方がいいかと。

確かに占領地などに置かれることが多いのでそう感じられる部分もありますが、現実はそうでもないので(^^)b

この辺りをUCがもっと突っ込んでくれると嬉しいんですけどね(笑)
2009/01/26 (月) 14:33:24 | URL | 陰鏡 #nL6A2.tM[ 編集 ]
各サイドの事情というのはなかなか描かれないんですよね~。
歴代ガンダムでも、特定の1コロニーがピックアップされることはあっても、
サイド単位でピックアップされたことってほとんどないですからね。
ストーリーにサイドの自治体自体が絡んでこないと難しいですね。
2009/01/27 (火) 20:40:18 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
F91の上巻P29で

>マイッツァーの兄のエンゲイストは地球連邦政府の中央議員を勤め、一度は
>中央議会の閣僚もやった手堅い政治家として、その名前が知られていた。
>選挙本部はサイド2にあるものの地球連邦政府の中央議員の選挙区は全スペースコロニーを
>対象にした全区(オールラウンド)であるため、独自の基盤を持っていなければ
>政界に出馬する事などは出来なかった。今二人が話しているのは、ハウゼリーが
>政界に出るために、伯父のエンゲイスト・ブッホが持っている組織を狙って、彼の秘書になったという事である

とあるんですが、これはどう解釈すればいいんだろう。ラプラスの事件以降に参政権が与えられた?
2009/05/24 (日) 17:28:47 | URL | ax #qbIq4rIg[ 編集 ]
なるほど、これは気づきませんでした。
福井氏がこれを知ってて書いているのであれば、
最終的に参政権を与えられる展開になるんでしょうね~。
2009/05/24 (日) 21:51:12 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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