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ガンダムネタだけを語るブログです。
非可変MSとしてのZガンダムの存在意義
 Zガンダムの最大のアイデンティティがウェイブライダーへの変形にあることは、言うまでもありません。しかし、設定上変形機構を持たないZ系のMSというものがあります。
 当初から可変MSとして開発されたはずのZガンダムに何故非可変機があるのか、ということについては、以前「非変形のZガンダム」とは何だったのかという記事で、「可変MS開発の頓挫が懸念されて、途中でプロジェクトが分化したから」という結論を出しました。
 しかし、それはそれとして、Zガンダムを非変形MSとして考えた場合、通常のMSに比べてどう優れていたのか、という問題があります。というのも、単純に非変形MSで優秀な機体が欲しいのであれば、ガンダムMk-IIIや百式といった機種もあったわけで、わざわざZガンダムを母体にする理由はあまりないように思えます。
 事実、非変形の量産型Zガンダムは量産型百式改に競合で敗れており、結局Zガンダムは非可変MSとしては突出したものではなかった、という結論で済ませることも出来ます。しかし、その後リ・ガズィという変形機能を廃したZガンダムの後継機種が登場する以上(あれはBWSを用いた簡易可変機であるといえばそれまでですが、結局あれはGディフェンサーの延長線上に過ぎないと思います)、何かしらMS単体としてのZガンダムに価値があったのではないか、とも思うのです。

 Zガンダムに変形能力を持たせたかった最大の理由は、「軌道上から地表へ単独降下攻撃ができる」というコンセプトのためでした。しかし、エゥーゴはジャブローの早期攻撃を決定したために、Zガンダムが当初のコンセプトを実現することはできませんでした。この時点で、すでにZガンダムの可変MSとしての価値が半減していたということは、以前Z計画はいつ始まり、そしていつ終わったのかという記事でも書きました。
 それでもZガンダムが完成したのは、3基のジェネレーターと推進器の後方集中という要素を付け加えることで、単なる再突入モードであるウェイブライダー形態を高機動航宙機として運用することが可能になったためであると考えられます。しかし、一方でZガンダムがMS形態の性能も優れているということは、劇中でMS形態でほとんどの名有りのパイロットが乗る高性能機と渡り合い、撃破しているということからも明らかです。ZガンダムのMS形態の高性能さというのは、どこからきているのでしょうか。

 ZガンダムのMS形態の最大の特徴は、おそらくバーニアスタビライザーであるかと思います。PGインストによるとカミーユの発案であったとされるこの装備は、動かすことにより後頭部あたりの補助バーニアとして使用でき、またAMBACユニットとしても機能する非常に柔軟性の高いユニットです。他のMSで似たような装備を持っているのは、ジ・Oくらいでしょうか。固定ではありますが、ギャプランの背部バーニアもそれに近いものがありますが。
 もう一つは、脚部にメインジェネレーターを搭載している点でしょう。それがどういうメリットに繋がっているかはいまいちわからないのですが(ジェネレーター直結だと推進器にとって都合がいい?)、機体のバランスが根本的に他のMSと異なっていることは間違いありません。動力系統が異なるということは整備や補給の都合にも影響を与えそうで、そのあたりがスタンダードなMSよりも兵器運用上好ましくない点でもあったのかもしれませんが、基本的にはZガンダムは、ガンダムやジムのような連邦系の機体より、ドムやリックディアスのような下半身の推力を重視した設計であるように思います。

 このあたりは、直系の非可変量産機である量産型Zガンダムにも受け継がれていて、スタビライザー展開時のような高い位置にあるバーニアがあったり、脚部の意匠がZガンダムに酷似していることからジェネレーターの位置も同じである可能性が高かったりと、共通の特徴が見られます。また、リ・ガズィもスタビライザーと脚部構造はZガンダムから受け継がれている部分です。

 以上、ZガンダムのMSの特徴を「スタビライザー」と「脚部構造」の2点とした場合、その運用法も見えてきます。脚部への推進器の集中から、一見ドム系のような突撃戦を想定しているように思えますが、一方でスタビライザーによって上半身方向からの推力をかけることもできるようになっています。つまり、単一方向の推力に特化しているだけではなく、スタビライザーにより微妙な方向転換が可能となっているのです。これはリックディアス以上のスピードを維持しながら、一定レベル以上の運動性を確保できるということなのではないでしょうか。
 同じようにスタビライザーをもつジ・Oも、下半身偏重のスタイルであることから、Zガンダムに近いコンセプトで、更に出力も推力も装甲も強化したものであるとも考えられます。意外と、ジ・Oはラスボスらしいラスボスだったのかも…しれません。

 結局のところ、ZガンダムのMS形態の価値というのもそこにあるのではないでしょうか。つまり、高速高機動と高い運動性を両立した機体であるということです。
 一方のデルタ系、百式のコンセプトは、ムーバブルフレームの特性とウイングバインダーを生かした高い運動性に特化したものと思われます。単純に考えると、運動性に加えスピードにも特化しているZガンダムの方が勝っているようにも思えますが、そもそもZガンダムにはピーキーな暴れ馬といわれるほどの操縦性だったことから、そのあたりが百式の方が優れていた可能性がありますね。クワトロの百式は扱いづらい機体だったようですが、その後ビーチャが操ったあたり改善されていたんでしょうし。

 操縦性を犠牲にしながらも極めて高い機動性と運動性を両立した機体、それこそがMS形態におけるZガンダムの特徴だったのではないか、という話でした。
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コメント
コメント
ZガンダムのMSの特徴の2点、これは、アドバンス・オブ・Zのヘイルズに施された改修箇所と同じなんですね。元々、ジムでありながら「ガンダム」としての性能が有るというのも、その点なのでしょうね。
2008/11/15 (土) 18:45:52 | URL | 飛竜 #-[ 編集 ]
>ジェネレーター直結だと推進器にとって都合がいい?
熱核方式はジェネレーターから発生する熱を利用するので推進器までの距離が短い方がエネルギーロスが少ない
とかそんな感じじゃなかったでしたっけ?
ガンダムセンチネルにそんな説明があったよーな(うろ覚え
2008/11/15 (土) 19:49:00 | URL | わんこ #KnHW2vQ.[ 編集 ]
>操縦性を犠牲にしながらも極めて高い機動性と運動性を両立した機体

このあたりが、非変形007系・ZETAIIシリーズ(C、S、AR型)がアフリカ戦線において士官用に重宝された理由なのかもしれません。

ZZ作中の砂漠戦でも、MS形態で一番活躍したのは、ゼータだったような気がします。
2008/11/15 (土) 22:03:18 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
>飛竜さん
まさにそうですね。これは気づきませんでした。
そういう意味では、Zガンダムの設計思想を先取りしていた非常に革新的な機体だったのかもしれません。
いや、時系列的にはヘイズル確認後に開発されているわけだからそんなにおかしくはないのか…。

また別の意味で、シロッコがヘイズルを参考にしている可能性も高まった気がします。

>わんこさん
センチネルのムックを見てみましたが、
熱核推進=推進力のためだけに(駆動用とは別に)核融合炉を使用する、という説明になってました。
となるとドムも脚部にジェネレーターを搭載している可能性が高いのですが、
Zガンダムの場合、「主」動力炉が熱核推進用を兼ねるというところが革命的なのかもしれません。

>とっぱさん
アフリカ戦線だと、ホバー移動とその安定という意味でコンセプトには合致しますね。
ジ・OIIが陸戦で活躍したのもその理由によるものかもしれません。
2008/11/16 (日) 21:35:22 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
一年前の記事のコメントすみません。
Zガンダムは姿勢制御バーニアは8基と標準より少ないぐらいのためグレートメカニック等では
「オールラウンダーで戦えたのはカミーユの技量で本来は高速戦用」
と紹介されてますが半分外れで半分当たりでしょうか。

脚部構造は変形機構をみても股関節と膝関節の可動域がかなり広く、脚部側面スラスターも作中描写をみると正面・側面・下面とかなり偏向が効くようです。バーニア=プロペラントを減らして「スタビライザー」&「脚部」によるフレームとスラスターの可能性を追求していると思われます。
この辺りは百式&クワトロ用リック・ディアス(スラスターを可動式に換装してバーニアのような微妙な制御に使っている)の双方の利点を発展・融合させたように思いますが、どっちもシャアしか扱いきれない長所を一つの機体に持たせたんですから、そりゃカミーユぐらいしか扱えませんな。

リ・カズィは量産前提(ジェガンとの部品共用?)のためか脚部スラスターは頸部のみを残して側面にはアポジモーターを増設する事で対処しています。この事が本家Zガンダムと比べて運動性や操縦性がどの程度、変わったのかまた難しい所ですが…。
2009/09/15 (火) 18:07:45 | URL | 巨炎 #mQop/nM.[ 編集 ]
Zガンダムはクワトロでさえ扱いきれなかったとさえ言われますからね。
しかしカミーユがクワトロに比べてそこまで技量が上だったとは思えませんので、
Zガンダムの操縦性はバイオセンサー前提だったのかもしれません。
3号機にはアムロ用にチューンされたバイオセンサーが搭載されていたのかも。

リ・ガズィは総推力もZガンダムにかなり劣るので、
高速戦闘よりも近距離戦に特化した設計なんでしょうね。
2009/09/15 (火) 21:50:21 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
はじめまして
Ζガンダムのテールスタビライザーって、系列機であるΖプラス系やSには採用されず、(プラスとSのはバーニア無しのスタビライザーでバックパック式、リ・ガズィのスタビにはスラスターらしきものがある?)その後のνやF計画以降の機体ではスタビ類は廃れてマイクロスラスターを多数設置する方向に向かっているので、どちらかというと過渡的な装備だったんじゃないかと思います。MSとしてのΖの長所は第二期MSに近いとされるパワーウェイトレシオと、先鋭的な挙動を示すと言うフレーム/バーニア構造にあったのではないか、という気もします。
バイオセンサーは再配備の際に撤去されてしまったという説もありますが、ジュドーが普通に扱ってましたが・・・。
それと、ジ・Oのスタビは基本的に放熱フィンで、AMBAC的な機能はあまりないと、キットのインスト等では書かれています。主推進器は下半身ではなくて、背中の大型バーニアなのでは?なんだか重箱のすみみたいですいません。
2009/09/22 (火) 16:43:58 | URL | アンチョビ #xSQvxBNA[ 編集 ]
はじめまして、書き込みありがとうございます。

スタビライザーはカミーユの発案のようなので、
結局のところカミーユにとってしか使いやすいものでしかなかったのかもしれませんね。

ジ・Oのスタビライザーってバーニアついてないんでしたっけ?
プラモ持ってないのでそのあたりが曖昧でした。
ご指摘ありがとうございます。
2009/09/22 (火) 22:56:42 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>Ζガンダムのテールスタビライザー
AMBACの活用は一年戦争時代からパイロットの技量の差がモロに出てくるのが難点でしたよね。ウイングバインダー装備のキュベレイもファンネルに頼りすぎずに使いこなせたのはハマーンぐらいですし。

>ジ・O
スペック上の推力値は背部バックパックのスラスターのみで、実際の機動にはスカートリアアーマーの大型スラスターが追加されます。これに全身のバーニアを考えればスタビライザーは完全に補助的なものでしょうね。スタビライザーにも前後にバーニアがついておりAMBACより、こちらの機能がメインだそうです。(ガンダムファクトリーより)
一方、バックパックのスラスター推力値は背部大型1基と側面小型6基の総和で背部だけならスペック上の三分の一以下(笑。上記のスカートのスラスターを加えても、そもそも重量があることを考えれば…。「Z」の最終回を観ると加速性は百式と同じぐらいでしょうか。
2009/09/23 (水) 09:20:12 | URL | 巨炎 #mQop/nM.[ 編集 ]
お返事ありがとうございました!
ジ・Oのスタビライザーは1/144キットのインストだと、カウンターバーニア付きのスタビライザー、となっていました。AMBACとしては然程機能してないことになってますが、ニュータイプ100%コレクションの設定画では、よく動く放熱フィンとなってました。劇中では、後方に噴射炎を噴いてるカットもあった気がw
2009/09/23 (水) 21:55:54 | URL | アンチョビ #qfb9tZ5k[ 編集 ]
>巨炎さん
結局バインダー装備のMSは廃れていってますしね。
スタビライザーはバーニアがついている記述もあるのですね。情報ありがとうございます。

ジ・Oのスラスターは加速よりも姿勢制御に重点を置いたものだと思いたいですね。

>アンチョビさん
ジ・OにしろZガンダムにしろ、スタビライザーにはカウンターバーニアとして、姿勢制御上大きな意味があるのかなと思うんですよね。
AMBACというよりもアポジモーター的な使い方ってことですね。
2009/09/23 (水) 23:37:22 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
はじめまして
可動肢の先に補助バーニアの付いた先例はMk-IIのサーベルラックもありますね。ジ・Oといい上でも出ているヘイズルといい、元々はティターンズの技術だったのでしょうか。
と思いましたが取り付け位置が大幅に違うもののGP02のバインダーが先にありましたね。
2009/09/24 (木) 21:18:59 | URL | 飛揚 #WtRdBVS.[ 編集 ]
初めまして、書き込みありがとうございます。

身体の一部以外に独立した推進ユニットを設けるというコンセプトは、
GPシリーズに端を発するのでアナハイムのアイデアのようですね。
Mk-IIのサーベルラックもGP04という元がありますし。

グリプス時代には一つの流行のような形で各陣営が設計に取り入れていたのかもしれませんね。
2009/09/24 (木) 22:18:16 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>補助バーニアの付いた先例はMk-IIのサーベルラック
ああ、なるほど。
Mk-IIのバーニアは10基となっていて肩の2基、脚部6基以外にどこにつけてあるのかと思ってましたが…。確か、これはジェガンにも継承されているんでしたっけ?
しかしMk-IIは加速状態からブレーキをかけるような前面バーニアがありませんね。初代ガンダム同様、脚部を前面に突き出す形になるあたり旧世代を引き摺っているかな?側面には多くて運動性も良いから旋回性は悪くないのですが。
2009/09/27 (日) 09:49:50 | URL | 巨炎 #mQop/nM.[ 編集 ]
Mk-IIのサーベルラック型バーニアはジェガンにも継承されてますね。
加速からのブレーキって結構負担大きいんじゃないですかね?
姿勢制御用のそれとは必要な推力も違うでしょうし。
2009/09/29 (火) 19:43:32 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
Zはやっぱり脚が命
スタビライザーはジ・OとZで意味合いが異なるという結論になりましたが、この二機はやはり共通点が多いと思います。

Zは上のコメントに書いたように関節可動域と可動式スラスターの偏向角度で「質」、ジ・Oは多重関節とバーニアの数という「量」を連動させており脚部構造が共に姿勢制御ユニットとなっているかと。
他には咄嗟に下に移動できる上面向きバーニア(リック・ディアスもありますが、こちらは側面の動きに難)など分散率の優秀さ。
武装は腰にマウントされて取り出しやすいビームサーベル、Eパック方式で機体に負担の少ないビームライフル。

相違点は兵装の多彩さはZ、ジ・Oは牽制攻撃など意に介さない重装甲。後、Zに蹴りがありますがジ・Oは隠し腕。まあジ・Oに殴られたらνガンどころじゃありませんし、隠し腕は敵の脚を捉えたり少ない兵装を使い切るのにも有効。

カミーユとシロッコの技量がほぼ同等としてTV版の射撃戦、劇場版の格闘戦、ほぼ互角と考えて良いでしょうが攻守のバランスではジ・O優位。だから、ああいう反則的な決着になるのかと。

敢えて、シロッコの敗因を上げるとすればZを攻め切れなかった事でしょうか。劇場版ではZの片脚を隠し腕で捉えてサーベルで切りつける寸前、Zが残った脚でライフルを蹴り飛ばした反動で振りほどいてます。あれはリ・ガズィの脚では絶対できません。
2009/10/28 (水) 12:42:53 | URL | 巨炎 #mQop/nM.[ 編集 ]
そういえばジ・Oってリックディアスを参考にデザインされたとどっかで見たような気がします。
MS形態の設計思想という意味では、同じディアスから枝分かれした機体と言えるのかもしれませんね。

ジ・Oの直接的な敗因はバイオセンサーの共鳴ってことになるのかなと思うんですが、
これはバイオセンサーをシステムとして設計されたものであると割り切って使っていたシロッコと、
人の命を吸うマシーンという概念に気づいた?カミーユの違いだったとも言えるのかもしれません。
2009/11/01 (日) 21:56:55 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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