がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
機動戦士ガンダムZZ外伝 ジオンの幻陽
 ダムA読んでないのでこれがほとんど初見。なんとなくな噂はちらほら聞いていましたが、これはチェックしないわけには行かないよねということで。

 これを書く前に、他にこの作品の感想を書いている人がネット上にいないか探してみたのですが、ほとんど見つかりませんでした。ダムA連載時の感想はいくつか見つけましたが。なんで探したかというと、この作品の設定面以外に触れている感想がないか、と思ったからです。
 この作品は確かに設定面は凄いんですが、純粋に物語として読んだときにとても評価に迷いました。なので他の人の感想を読んでみたかったのですが…それがほとんどない、ということは、結局はそういう作品だった、ということなのかなと思います。

 自分としての率直な感想は、「各個の要素については面白いが、作品全体としては極めてちぐはぐである」というものです。この作品には複数の要素が詰まっています。

(1)フェアトンとバーンという、優秀な指揮官とエースパイロットがネオジオン内でのし上がっていく物語
(2)ラーフシステムという新技術の完成を目指す物語
(3)ZZの外伝としての作品
(4)マイナーな設定をふんだんに用いた設定オタ向けの作品

 これら一つ一つについては、非常に面白かったです。

(1)フェアトンとバーンという、優秀な指揮官とエースパイロットがネオジオン内でのし上がっていく物語
 基本的にはこれが根幹のシナリオだと思っています。指揮官とパイロットの話というのはガンダムでは極めて珍しく、普通はMSパイロット同士の話になってしまうので、その点はとても面白かったと思います。
 ただ、フェアトンがどちらかというと寓話的なキャラクターであるのに対し、バーンはガンダム外伝にありがちな、軍務と理想の狭間で悩むアマちゃんタイプだったので、ちょっとちぐはぐな印象を受けました。まぁ、ZZガンダムのキャラとZガンダムのキャラが同居している、「ガンダムZZ」という作品らしいと言えばらしいんですが…純粋に作品としてみた場合、やはりどちらかの毛色に合わせるべきだったと思います。
 組織の中でのし上がっていく話としては、ハマーン派とグレミー派の争いという背景設定をよく生かせていましたし、面白かったですね。個人的には、ハマーンにもグレミーにも背後にもっと老獪な人間がいるんじゃないかと思っていたので、老人達を一掃してしまったのはちょっと違うかなと思いましたが、まぁそれは見解の相違でしかないので。

(2)ラーフシステムという新技術の完成を目指す物語
 一応、これがストーリー上の最終目標となります。ガンダムOOで実現しそうなシステムですが、現実にも計画があるものらしいので、ガンダムをスペースコロニー計画が実現した場合というSF作品としてみた場合、延長線上としては妥当かつ面白い設定だと思います。
 ただ、なんでこれの実現のために軍人にならなきゃいかんのよ、という気はしますねぇ。科学者でいいじゃんという話になります。ストーリー上科学者じゃ困るのは当然なのですが、そういう意味でもやはりちぐはぐな印象を受けます。まぁ、アクシズという環境では、組織でのし上がるためには軍人になるしかなかったんでしょうけどね。
 ただ、やっぱりフェアトンは指揮官であって、ラーフシステム自体は別に開発している技術者(それこそ28人の兄弟の中の一人でよかった)がいるという方がよかったのかなぁなんて思います。
 それに、いくら目的はエネルギー供給だと言っても、結局のところソーラシステムのカウンターとして使う気満々で設定したんだろうなぁというのがわかってしまうので、なんだかなぁと思います。これを切り札にエゥーゴを撃退しちゃったので、史実に残っちゃうんですよねぇ。アクシズ攻略戦自体がどマイナーな設定なのでどうでもいいっちゃその通りなんですが。

(3)ZZの外伝としての作品
 そもそも、作品としての全体の評判が微妙で、かつ新訳Zではなかったことにさえされてしまった「ガンダムZZ」という作品の、外伝作品を堂々とやってしまった、というだけで評価できる作品です。それも適当な外伝ではなく、ちゃんと本編の裏設定も生かしつつ、本編のエピソードやキャラクターを交えながら、矛盾なくもう一つの物語として描こうとしていたわけですから、その志もまた素晴らしいかなと。
 一方で、ここまでZZ本編を意識する必要があったのだろうか、とも思います。本編のエピソードや歴史を説明するくらいなら、本編を補完する新しい設定の方が見たかったなぁというのが正直な感想です。メッチャーがガンダムチームを組織した真意とか、面白い解釈がいくつかあっただけに、そっち方向に比重がいかなかったのがちょっと残念ですね。グリプス1に篭城しているティターンズというのも、いい視点だと思ったのですが。

(4)マイナーな設定をふんだんに用いた設定オタ向けの作品
 結局はこの作品の最大の評価はここになってしまうわけで。確かにすごいですけどね。陸戦用百式改、ガンキャノンディテクター、スーパーディアス、ZIIといったMSを要所要所で出したり、ネオジオンの高官の皆さんにここぞとばかりに非公式作品のキャラを出しまくってみたり…(ダンジダンにはさすがに吹いた)。
 ただ、こういうところがメインになっちゃったら、それはただのマニアックな作品でしかなくて、結局のところオタクが作った同人誌のレベルに落ちてしまうと思うんです。「ムーンクライシス」が良かったのは、マニアックなネタがさりげないところで留まっていて(ZプラスC4とか、カミーユやジュドーとか、その他既存のMSとか)、本編とは特に関わらず、本編は別に筋の通った設定と物語がしっかり描かれていることだと思うんですね。でも、この作品のマイナーMSはかなり活躍してしまっているんです。キャラクターに関してはほとんどチョイ役だったんで良かったと思うんですけどね。マイナーネタを使うのはいいんですが、比重を間違えたかな、と思います。これはこの作品に限らず愚連隊などの最近のダムA漫画には良く見られる傾向で、やっぱり作り手はオタクであり過ぎてはいけないのかな、なんて思います。
 もっとも、MSの使い方に関して、設定面で言えば実にまっとうな使い方だったと思います。後方狙撃のスーパーディアス、水中にも対応しているという設定を生かした陸戦用百式改、メタス部隊を率いるZIIとね。この辺はさすがとしか言いようがないですね。
 特にZIIを指揮官機とするメタス部隊というのは、まさにエゥーゴが描いていた可変MS部隊だったんだろうなと思いました。メタスの色は、トーンの貼り方からするにZIIと同じ色なのかな?メタスはデザイン的に私は試作機です脆弱ですという外見なので、量産化しちゃうならメタス改にすればよかったのになぁなんて思ったんですが、まぁメタス改も実機は完成してないって設定だしな。ガザがありならメタスもありか。


 それぞれの要素の評価についてはこんな感じなのですが、やっぱりそれぞれの要素同士が、同じ作品内で混在する理由にはあまりなっていないんですよね。「ZZの外伝」で、かつ「指揮官とエースパイロットがアクシズの内部事情を利用してのし上がっていく話」というところまではいいと思うんですが、その目的が「ラーフシステムを開発、実用化する組織に作り変える」というところで少しずれてしまって、それでもそういう物語だと丁寧に描いていくところで、マイナーネタに走りすぎてしまった…という印象です。
 同じ脚本・作画であるはずのクライマックスUCが、一つのテーマを最後まで貫き通したのに対し、この作品は軸がはっきりしないまま終わってしまったな、と思いました。4兎を狙ってどれも取れなかったのかなと。
 2巻というクライマックスUCと同じ長さなのに、ネオジオン戦争を最後まで描ききらず、中途半端に終わってしまったのも残念でした。ギレン暗殺計画みたいに延長するだろうということを見越してシナリオを作っていたのだろうか。それとも、途中までは延長前提だったのが、やっぱり延長がなくなって急遽話を纏めたとか、そういうことなんだろうか。

 自分も設定オタなんで、設定ネタは気になるし好きなんですが、物語として描く以上は何よりもストーリーを最優先で描いて欲しいし、作品としてのバランスにもっと気を使って欲しいと思います。オタ知識の披露会には、して欲しくないですね。同人誌ではないのですから。

 まぁ、この作品の一番まずい点は、結局のところ主役機かなぁ…なんて思います。色違いのドライセンとカプールだけ、では…(汗)やっぱロボット漫画なんだから、それなりにカッコいいメカを前に出して欲しいですね。敵メカ(エゥーゴ)ばっかりカッコよくてもなぁ。そうでなくあくまで主役は量産機、というノリでいくなら、それこそ近藤作品のような戦記物に近い内容じゃないと合わないと思います。
 メカデザインのキャラクター性って大事ですよね。クライマックスUCでも、最後カムナが乗った機体がプロトタイプジャベリンというのは、設定的にはアリであっても、デザイン的にどう見てもやられメカなのに最後の見せ場を作ったというのはどうかと思いましたし。

 ちょっと辛口な評価になってしまいましたが、クライマックスUCが良かっただけに、ちょっと物足りなかったなという感想です。
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コメント
コメント
私はこの作品が読みたくて連載時期だけダムA買ってましたw
・・・単行本が出るとは知らずにorz

ストーリだけ見るとちょっと・・・という感じは否めませんがこれだけマイナーMSを出したということの功績は大きいかと思います。
こういうマイナー系を取り扱う作品の前例が出来たことによってこういう作品が出版しやすくなるかな・・・と。
まあ、マイナーすぎても売れないんでしょうがw

2008/11/01 (土) 14:50:23 | URL | クレア #I4t1ZHtI[ 編集 ]
なかなか、辛口な感想ですな。

文才がないので感想文はあえて書いてないのですが(苦笑)、私的”漫画として面白いダム漫画”の5本の指にランクインしてます。
詰め込みすぎの感はあるんですが、こればっかりは6話しか貰えなかったところが痛し痒し。
コミックスの書き下ろしで、それでも物語としての繋がりは良くなっているですが・・・・

>なんでこれの実現のために軍人にならなきゃいかんのよ、という気はしますねぇ。科学者でいいじゃんという話になります

作中では尺の都合で説明不足なんですが、科学者によってラーフシステム自体の基礎理論及び技術はすでに発表されているのでは?(オニールのコロニー理論みたいに)
で、実現自体は可能なんだが、それを可能にするにはとんでもない強制力が必要と言う点で(それこそ、地球連邦設立と同レベルの強制力)、軍人として成り上がる必要があるのではと解釈しています。
兵器として転用可能なのは、ハマーンから予算を引き出す方便だった可能性もありますね。
アルギス家がいくら名士だからといっても、流石に個人の財産での開発は大変だろう・・・・

>結局のところ主役機かなぁ

連載当初、フェアトンは銀色のRジャジャあたりに乗り換えるかと妄想してましたが、最期までカプールという斜め上を逝く展開が逆に私は好きだ(w

でも、ドライセンはカッコイイじゃん。
2008/11/01 (土) 20:21:27 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
>クレアさん
最近はどうも、漫画でマイナーメカを出して既成事実を作ってしまえば商品化や公式化を狙える、という動きが見えますね。
プロトケンプファーとかビギナギナIIとか、サンライズにも策士がいるような感じがします。
それはそれで歓迎なんですが、そのために漫画が利用されてしまっているような気もするのです。

>とっぱさん
初めから6話という決まりだったんですね。
となると、ネオジオン戦争を最後まで描くつもりはさらさらなかったと。
なんとなく、ラーフシステム云々よりアクシズ攻防戦がやりたかっただけなんじゃないの?と思ってしまったり…。

フェアトンは軍人でも良かったと思うんですが(正しいことは偉くならないと出来ませんしねぇ)、
いきなりラーフシステムが完成してたりして、いやそれ誰が作ったのよ!?と思ったので。
説明不足なだけで、実際は作った人がいたんでしょうけどね。

主役機はカプールとかドライセンであっても、せめて改修くらいは…シュトゥッツァー的な何かを!と思ったんです(笑)
ドライセンにグライバインダーなんてネタを妄想してる人間ですので…。
2008/11/01 (土) 20:44:43 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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