がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
月初のガンダム以外の話「少子化ってなんですか?」
 本、新聞と来て急にテーマが大きくなりましたが、こちらは仕事柄少々関わるところなので戯言を。

 少子化といわれて久しい時代、選挙も近くなるとまた聞く機会が増えそうな感じがしますが、単純に言葉通りの少子化、すなわち子供が減る、というだけであれば、実はそんなに問題はありません。というのも、子供が減るというのは将来の人口が減ることを意味するわけですが、別に日本の人口が減ること自体に害悪はないと思うのです。そもそも、日本は国土面積の割に人口が多い国ですし、今までが多すぎたって気がしないでもない。
 ただ、これが「高齢化」とセットになると問題になるわけです。子供が減ると同時に老人が増える、というのは、つまり将来前線で働く人間が減って引退する人間が増えていくということですから、要するに養うべき人間が減り、養われる人間が増えるということになるのです。また、単純に若い労働力も減ります。真面目な話、下っ端の社員より管理職のほうが多いなんていう馬鹿げた職場だって現実に存在しています。
 しかし、これも過渡期ゆえのことであって、単純に数十年後の将来を見据えるのであれば、それはその人数にあわせてシステムを構築しさえすれば、大きな問題はないように感じます。例えば年金制度なんかも、現状のシステムである「今の大人が今の老人のために年金を払う」という形は間違いなく行き詰まりますので、必然的にいつかは変更せざるを得ないと言えます。

 なので、実際のところ、問題というのは「いかに少子化時代に対応できるシステムを構築できるか」というところに尽きるのではないかと考えます。

 実際のところ、少子化を食い止めるというのは不可能です。基本的に生殖本能は苦境にあるほど高まるわけで、出生率が高い=死亡率が高い、ということですから、死亡率が下がって平均寿命がどんどん上がっている社会で出生率が上がるというのはまずあり得ません。
 だからといってあんまり急に減っても困るんで、少しでも出生率の低下を緩和しようと、国が色々やろうとしているという背景なんだと思います。多分。

 最大の問題である、少子化と高齢化のセット、つまり社会的に使用可能な人間が減って使用不可な人間が増えていく、という問題の対策については、二通りの手段が考えられています。
 一つは、使用不可な人間を可能にしよう、という方法。つまり、高齢者にももう少し戦力になってもらおう、という考え方です。定年を延ばしたり、定年を過ぎても働かざるを得ない状況を作るために高齢者の負担を増やしてみたりという手法が取られていますが、後期高齢者制度が大旋風を巻き起こした(という表現が正しいのかはよくわからない)ように、高齢者の負担を増やす、という考え方は抵抗が強いようです。
 もう一つが、使用可能な人間を増やそう、という手法。例えば専業主婦となっている女性が働けるようにしたり、外国人労働者が来やすい環境を作ってみたり、ニートやフリーターの対策というのもこれに含まれるものです。要は国民はみんな働け、という考え方なのですが、その一方で就労環境はどんどん悪化してるわけで、それで働けと言われても…というのが国民の正直な気持ちなんじゃないでしょうか。

 つまり、今の日本というのは、「高齢者がこれまで通りの環境を維持していて」かつ「労働者にとって望ましくない環境が増えている」という状況にあるわけです。高齢者が現状維持というとやや語弊があるのかもしれませんが、介護の負担が増えているとかで高齢者に厳しい時代になっているなんていうのは、単純に寿命が延びてその分延命措置に労力を費やす必要があるから、という問題でしかありません。決して国や社会が高齢者に優しくなくなったわけではないと、自分は思います。
 そもそも、現状でも国の福祉予算のほとんどが高齢者のために費やされています。また、高齢者は政治意識が高く、投票率も高いので、政治家も票を取るためには高齢者を意識せざるを得ないという現状があります。そして何より…この国の組織のトップにいるのは、その高齢者です。先日就任した麻生首相は、先日退任を発表したプロ野球の王監督と同じ歳。一般的には引退が当然という年齢で、ようやくトップに立つことが出来るのが、日本という国です。

 少子化が問題となるのは、ここにあると感じています。つまり、少子化時代に対応して社会を変えていかなければいけないのに、「変えられない」のです。
 高齢者が変えさせてくれない、悪いのは高齢者だ、と言いたいのではないのですが、少なくとも高齢化という問題は、全国民共通の話題です。人は誰しも老いていくので、必ず問題に直面する。しかし、少子化という問題は、全国民共通ではありません。少なくとも、団塊世代のように子を生むのが当たり前だった時代を生きた人間には、「子を産まないという選択肢を取る」ということが根本的に理解できないのです。だから、社会のシステムを変えなければいけない、という必要性に極めて鈍感なのではないかと思います。
 そして、そういう世代が社会の決定権を握っているというのが、大きな問題なのではないかと思います。日本だけではないのかもしれませんが、少なくとも日本において、巨大で古い組織は、高齢者に牛耳られているといっても過言ではありません。それが必ずしも正常ではないというのは、アメリカのオバマ氏が決して世界的に若すぎる年齢ではないということからも明らかです。じゃあ、日本でもそのくらいの人間が政治のトップに立てるか、というと、まず無理でしょう。それは、単純に年功序列になっているからとか、そういうレベルではありません。
 仮に、若くて物凄く有能で、この人に日本を任せれば絶対良くなる!と誰もが確信できるような人間がいたとします。じゃあ、そういう人が首相になったら本当に日本が良くなるか、というと、かなり微妙です。何故か。国を動かすには、様々な組織を動かさなければならないからです。
 もし、若い人間が首相に立つのであれば、政治家と関係が深い業界団体のすべてのトップもまた、若くしなければいけないと思います。それくらい、日本の組織というのは連動しています。そもそも政党とは、特定の人間層の利権集約組織に過ぎません。大まかには富裕層が自民党、それ以外が民主党という形が出来上がっているわけですが、それは国民レベルではなく、あくまで業界団体レベルでの話。業界のトップは常に高齢者です。マスコミだろうと金融業界だろうと医者、弁護士、教師の団体だろうと、全て高齢者。
 これは年功序列だというのもありますが、要するに業界のトップになるには「実績」と「コネ」が必要で、それを確固たるものにするには必然的に長い時間がかかる、という現実があるからだと思います。しかし、トップになったときはもう引退を待つだけの高齢者。これは、組織のトップになることが手段ではなく目的になってしまっていることを意味しているのではないでしょうか。組織を変えたいからトップに立つのではなくて、これまでの仕事の成果としてトップの椅子が待っているというだけの話なのではないかと。

 もっとも、これが全面的な害悪だとは思いません。本当の意味でリーダーに相応しい人材というのは本当に一握りです。それでも、組織である以上誰かをリーダーにしなければならない。そういうときに、能力以外で人をまとめるには、結局のところ誰でもわかる実績だったり、知名度だったりが必要になるわけで、「リーダーが無能である場合の被害」を最小限に食い止める方法ではあると思います。
 しかし、この手段を取る限り、リーダーは間違いなく高齢者になります。少なからずリーダーは決定権を持ちますので、高齢者になじみの深いものほど意見が通りやすくなります。逆に、若い世代でなければ理解できないものは、なかなか意見が通りません。だから、若い世代に起こる問題というのが、どんどん放置されているというのが現状だと思います。
 少子化の問題に限らず、ニートやフリーターが何故生まれるのかということを高齢者に理解させるのは難しいでしょう。教育の問題についても同様です(そもそも、偉い政治家は普通の教育を受けてないからね…)。だとすれば、もっと若い世代の意見を代弁できる政党なり政治家なりが現れないと、この国は本当の意味で良くなることはないのだろう、と思います。現在の日本の国政選挙の投票率は60%程度。残りの40%は若い世代が中心のはずです(多分)。この残りの40%の支持を得られる政治家や政党が現れたら、この国はひっくり返るだろうな、とは思っています。理想論ですが。

 まとめると、少子化問題というのは、「少子化時代に対応したシステムを簡単に作れない」という構造的な問題なんだぞ、という話です。
 今の社会システムは、高度経済成長時代の、人がたくさんいてなんぼというシステムを引きずっています。一人一人の能力差を、人数でカバーできるようになっていました。それが、人が減ったのに同じシステムを維持しているので、一人一人の負担が増え、あり得ないほどの過重労働に繋がっているというのが、実際に社会に出てみた感想です。
 次の世代が旧世代が束になってもかなわないほど有能な人材ばかりならいいのですが、そんなことはあり得ないですから、ね。それこそコーディネイターでも生まれてこないことには。だったら、やっぱりシステムを変えるしかないわけで。将来的にそれが求められるときがくるでしょうけど、まだ時間がかかりそうな気がしますね。政権が民主党になっても、高齢者偏重は変わらないでしょうから。
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コメント
コメント
少子化が単独で問題である、という見方も
可能な気はします。

つまり、生まれてくる子供が減るという事は、
単純に「消費者の数が今後減っていく」事なので、
生産と消費を回して経済成長する
現状の資本主義システムにとって単純に痛手です。
結局、内需がそんな感じで萎んでくるので、
成長のためには海外輸出で黒字を出すしかない、
というのがここ最近の日本でしたが、
そのやり方もあと何十年持つんでしょう?
どこの国も等しく先進国並みになってしまったら、
売る先が無くなってしまうんじゃないかと
けっこう心配。

こないだ富野監督も言ってたみたいですが、
そろそろ「成長して当然」というシステムは
どうにかしないとマズイんじゃないの、
とは思います。
けど多分、決定的に破局するまで
やめられないんでしょうね。
2008/10/04 (土) 14:43:39 | URL | zsphere #mgsj5vwc[ 編集 ]
出生率については世論が「国の政策が悪い」とか「不景気だから」などとそれらを改善すればあたかも出生率が向上すると思わせるようなことがよく報道されています。
が結婚率、出生率の低下はいくら制度を変えても結局は人の問題。向上には限界があります。
今の報道を見ていると「政策を改善すればなんとかなるのでは・・・」という考えにすがって現実を受け入れない人々が多いように思えます。

このような考えを払拭し、ルロイさんのおっしゃるように「出生率を向上させる」だけでなく「今の状況で安定させる」ことに視点を移す時がきているのでしょうね。
難しいことですがそれを実現してくれる人が現れることを祈るばかりです。
2008/10/05 (日) 11:42:04 | URL | クレア #I4t1ZHtI[ 編集 ]
>zsphereさん
生産と消費を回すことが前提のシステムに限界があるというのは仰るとおりで、
例えば今の企業って売上の増加に限界を感じると、
新しいニーズを発掘させてさらに消費者にお金を使わせようとするんですよね。
消費者の視点に立つと、どんどんお金を使う機会が増えてしまって、
それが消費者にとって景気の回復が感じられない最大の要因になっていると思うんです。
政府がどうこうとかじゃなくて、企業がいろんな商売をやりすぎているだけなんじゃないかと。
昔は生活の固定費って水道高熱通信費くらいだったと思うんですが、
今の家庭はそれ以外にどれだけ固定費を払っているか、という話です。

これはどうにかしないとまずい、とは思います。
自由競争が前提の資本主義では難しそうですが…。

>クレアさん
国や景気のせいにするのは出生率の低下に限った話じゃないんですよねぇ。
なんでもかんでも政府とかのせいにするのは、日本のマスコミや野党の最大の欠点だと思っています。
責任を全部権力者に押し付けて、自分達は利益だけ享受すればいい、
という思想を国民に植え付けまくっている人達が、
もっとも国を危機に追いやってるんじゃないかって思うんですけどね。
そう言っても「いや政府が悪い、自民党が悪い」って信じきっちゃってるんで始末に終えないです…。
実際はどっちもどっちで、それが政治の関心が低下してる最大の理由だと思っています。
2008/10/05 (日) 20:43:49 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
>水道光熱通信費
そうか、他にあんまり余計な支出出してないからウチは収入多くないのに生活苦しくない訳ですね!(微笑

…というのが、国家とシステム全体にも成り立つのかなと思います。

いっそある程度人口が減った方が、必要最小限の産業だけで国家全体をコンパクトにまとめ、国内だけで限りなく自給自足に近い安定持続可能な経済システムを成立させやすくはなる気がするんですが、全地球規模で資本主義を拡大再生産し続けなくちゃいけない(と、偉いヒト達も偉くないヒト達も思い込んでる)状況ですから、転換は難しいですね。

仰る通り、問題は高度経済成長期のシステムを全面的に引きずり過ぎてる点に集約されてると思います。
「人口が増え過ぎたら減る」のが自然な流れなので、ある種不自然な「増え続けてる」状況下でなければ成り立たないシステムの維持にさえ過剰にこだわらなければ、自ずと方向性は定まりそうな気がするんですよね。
年金の保険料が固定で、給付額だけが経済状態等に応じて増減される、スウェーデンの年金制度みたいに。
2008/10/05 (日) 21:55:21 | URL | 闇鍋影人 #-[ 編集 ]
ええと
06を作りすぎて14の数が揃わないとか言う話しですよね?(違)

そもそも、その前線部隊が家族はおろか自分を養っていくのもちょっと辛いという社会情勢が既に崩壊へ向ってるとしか。

実質の物価の割合からすると少ない給料から
どんだけ削んねんって程税金その他で削られますしね

今から20年30年40年前て
今程、家族を構築する事、子供を産む事に不安や抵抗があったようには思えないし

やっぱり生活にお金がかかりすぎるようになってしまったんでしょうね

寒い世の中です
2008/10/07 (火) 00:26:39 | URL | スウ #-[ 編集 ]
>闇鍋影人さん
今のアメリカの経済状況が、システム転換の契機となればいいんですけどね~。
昔大きな政府から小さな政府へ、という言葉がありましたが、
企業も同様なのではないかと思ったりします。
人はできることをできる時にやればいいってロウ・ギュールが言ってましたし(笑)

>スウさん
今の時代は選択肢が多すぎるんですよね。
お金の使い道も、楽しみ方も色々あって、
避妊技術の進歩もあるから子供を産むか産まないかも選ぶことが出来る。
選べるときに、「子育てより自分の時間を優先したい」と思うから産まない、という人もいるわけで、
お金がかかりすぎるというよりは、お金の使い道が多すぎるということなんだと思います。
選択肢が多いと、使う人は使ってしまうので、そういう人はお金がなくなってしまう、というだけなのかも。
2008/10/07 (火) 22:35:07 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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