がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
カミーユはZガンダムの何を設計したのか
 先日の藤田氏の連載で、なんとなくZガンダムの設計においてカミーユが果たした役割というのが見えてきそうな感じがしたので、少し考えてみることにしました。

 とりあえず、映像作品上、カミーユがZガンダムの設計面に触れているのは、「Mk-Ⅱとディアスに、新しい装甲を付け足してみたんです。Zガンダムって名前も付けてんです」という台詞のみだったりします。
 この台詞は極めて曖昧で、Mk-IIの改良案とディアスの改良案をそれぞれ考えていたのか、それともMk-IIとディアスを融合させた上で装甲を付け足したのか、それすらもわかりません。これだけで考えるのは無謀というもので、だからこそ先日の「Zワールド」が重要になってくるわけです。
 ただ、Zガンダムという名称はカミーユがつけたと考えた方がいいのかもしれません。その時点ですでにZ計画はスタートしていたはずですが、だからといって完成機がゼータガンダムという名称に決まっていたとは思えないからです。実際、ガンマガンダムはリックディアス、デルタガンダムは百式として登録されていますし、カミーユが関わらなかったら、ゼータガンダムも全く別の名称が与えられていた可能性が高いと言えます。
 カミーユはZ計画というプロジェクトがエゥーゴで進行していることを知った上で、その名を取って安直にZガンダムと名づけていたのではないかと考えられます。アナハイムとしても、ガンダムのブランドネームは大きな意味を持ちますし、ティターンズがガンダムを対外的にアピールするのをやめたこともあって、カミーユの案を採用してガンダムの名前で世に送り出したのでしょう。

 さて、件のZワールドについてですが、カミーユがZガンダムの設計に携わったと思われる記述は以下の通りです。

・「でもZのMASシステムは、MkIIの改良型です。Cクラス面手だってこれが最初だし、そんなにヤワだなんて考え難いですけど(基本(ベース)は俺が計算したんだ)」
・「いくらコンパクト化できたからって融合炉を三基(両脚に二基、腰部に一基)も搭載するなんて、MAかよ!」
・「変型だってそうさ。Mk-IIのよりも小さいフライングアーマーに機体サイズを合わせるためのパッケージ化だったのが、戦術思想の変移だって?高機動戦闘機に化けやがった!」

 こんなところですね。以上のことから
・ZガンダムのMASシステム(ムーバブルフレーム)の基本設計はカミーユが行った(?)
・カミーユの設計案ではジェネレーターを3基搭載していなかった
・カミーユの設計案では変型機構はフライングアーマーにサイズを合わせるためのものであり、高機動戦闘機としての運用は想定していなかった
 ということがわかります。

 これをベースに他の資料を見ていきたいのですが、実はそのものズバリ、カミーユがZガンダムの何を設計したのかを記しているものがありました。それは、PGのインストです。
 以下、抜き出します。

 この機体は、基本的に再突入装備をMSに附帯させるという構想に基づいていたが、双方の機能は根本的に相容れないものであり、ウェイブライダーへの"変形"は、フライングアーマーの慣性モーメントの大きさから難航を極めていた。MS単体としての機能は、X型においてほぼ達成されていたものの、大気圏突入形態への変形過程において重大な欠陥を抱えていたのである。ところがこの重大な問題は、ある局面を迎えることで一挙に解決することとなった。その転機においてキーポイントが、ガンダムMk-II強奪の当事者のひとりであった少年の存在だった。
 エゥーゴがRX-178ガンダムMk-IIを強奪する際、偶然その場に居合わせた少年カミーユ・ビダンは、成り行きでガンダムMk-IIに乗り込み、紆余曲折を経て、そのままエゥーゴに参画することとなった。そして、進行中のZプロジェクトに対しても、重要な提案をもたらしたのである。
 当初構想にあったエゥーゴのフラッグシップMSは、単純に言えば、MS形態時には背部にフライングアーマーを装備し、大気圏突入時には前面に回り込ませるという発想のものであった。それは基本的に肩部のヒンジを支点としたスライドレールを介し、一体構造のフライングアーマーを頭越しに前面に回り込ませ、シールドと組み合わせるという機構が採用されていた。
 実際、ウェイブライダーとしての堅牢さを保つためには、その手法以外にないと考えられていたし、双方の形態において最適なフライングアーマーの設置ポジションはそれ以外にはなかったのである。ただし、だからこそ、この"変形"は困難であった。
 MSの躯体に匹敵する質量を持つフライングアーマーを、全長を上回るスパンで移動させるなど、事実上ナンセンスなことであったのである。無論、宇宙空間は無重量であるから、変形そのものは不可能ではなかっただろうが、移動中であれば機体のベクトルの修正に余分なプロペラントを消費してしまうし、重力下、ましてや大気圏内での変形は大きな抵抗を発生させ、機体を損傷してしまったことだろう。
 ところがカミーユは、このフライングアーマーを左右に分割し、MSの"脇の下"を経由させることで、その変形を半分以下の可動部品とスパン及び時間で可能としたのである。また、機体の構造そのものに柔軟性をもたせることで、それぞれの機動装備を四肢以外のAMBACデバイスとして援用するという手法も機体に盛り込み、背部に固定されていたバーニアスタビライザーも能動的に可動させることによって、MS形態時にも機体の機動性を向上させる有効なユニットとして機能させることに成功したのである。
 実際、エゥーゴとAEの開発チームによって"宇宙空間から重力下へ連続的に投入可能なMS "の開発が推進されたこと自体、この着想によるところが大きいとも言われている。この機体の発想を現実化させ"Zガンダム"として完成させたのは、事実上、たった一人の少年による、何げない
コンセプトの提示だったのである。無論、カミーユ自身が有望なパイロットであり、また、未熟ながらもエンジニアとしての見識も持っていなければ、その発想には説得力が伴わず、実現などおぼつかなかっただろう。カミーユの提案は、AEを始めとする技術者に対する挑戦であり、また挑発であったとも言える。


 以上です。エッセンスの抽出が難しかったので丸々掲載してみました。まぁ、まとめるとフライングアーマーの左右分割とその変形機構、そしてスタビライザーについてはカミーユの発案だった、というだけの話なんですけどね。
 ちなみにこの文中に登場する、「一体型フライングアーマーを装備した試作Zガンダム」は、このインストにイラストが掲載されていたりします。
可変プロトゼータ
 また余計なものを捏造してくれますよね~(笑)他にも腕部グレネード以外のオプション案とか、シールドのバリエーションとか、他には掲載されていないイラストがたくさん載ってたりします。
 この試作Zがあることで、デルタガンダムはZ以前に開発されていた百式の失敗作ではなく、Zガンダム完成後にその変形機構を応用して完成させた百式であるという可能性は高いのかな、と思います。

 で、話を戻すと、カミーユはフライングアーマーを左右に分割して前面にもってくるというアイデアを提示したわけです。これが、カミーユにとってZガンダムの変形が「フライングアーマーのサイズに合わせるため」だったということと繋がってくるのではないかと思います。

 さて、Zガンダムの開発過程に関しては最も詳細であろう、アナハイム・ジャーナルも重要な資料の一つです。これによると、「これにガンダムMk-IIのムーバブル・フレームのデータと、フライング・アーマーを装備し大気圏突入形態とする案が取り入れられ、Zの設計図面が完成に至った。この図面がピウツスキ博士の元に届けられたのは、設計図提出期限の直前であった。実質、1週間という驚異的な速度で設計図を完成させたことになる」とされています。
 0087年3月下旬から2週間後ということなので、設計図完成は4月中旬、時期的にもカミーユの案が届いていておかしくないですね。カミーユの案をもって、Zガンダムはフライングアーマーの装備が決定した、ということになります。元々Z計画のオーダーにはノンオプションの大気圏突入能力が求められていたのですが、カミーユのアイデアがなかったらどうするつもりだったんでしょうね。
 カミーユがどうしてフライングアーマーの分割を思いついたかはさすがに定かではありませんが、そういえばフライングアーマーの構造に似た装備を持つガンダムのイラストがあったのを思い出しました。
永野ガンダム
 永野ガンダムネタで取り上げたこのガンダム、実はこれがカミーユが最初に設計していたガンダムなんじゃねーの?なんて思ったりして(笑)
 フライングアーマーを前面にもってくるアイデアに関しては、Mk-IIのムーバブルフレームから発展したアイデアなのかな?という気がします。ムーバブルフレームを可動肢以外に使う、という発想が新しかったのかも。

 ちなみに、この時点ではカミーユは単なる大気圏再突入戦用のMSとしてZガンダムを考えていたようですが、実際は「ジェネレーター・エンジン開発部門のライエル博士」がもたらした「既存の半分以下のサイズでありながら、安定したし性能を発揮する」ジェネレーターにより、両脚にジェネレーターを搭載するという案が生まれ、腰部のジェネレーターと併せて3基のジェネレーターをもつハイパワーな機体として生まれ変わります。このあたり、アナハイム・ジャーナルはZワールドの記述を意識しているように感じますね。
 カミーユ曰く、この3基のジェネレーターを搭載した完成版Zガンダムは、戦術思想の転換から高機動戦闘機としての運用が可能となったとしています。これについて近い記述がPGインストにあり、Zガンダムのウェイブライダー形態は「宇宙戦闘機クラスの空間戦闘能力と加速性を併せ持って」おり、それを可能としているのは「変形することで、機体各所に分散配置された各部バーニアスラスターのベクターが機体後方に集中することにより、その全出力を加速のためだけに振り向けられるから」としています。
 つまり逆に言えば、カミーユの設計案では、変形時にバーニアが機体後方に集中するような設計にはなっていなかった、ということになるのでしょう。Zガンダムの主なバーニアは「フライングアーマー」「スタビライザー」「腰部リアアーマー」「脚部」ですが、どれも普通に変形すれば後部に集中しそうなものばかりなんですよねぇ。「フライングアーマーが逆向きだった」とか「腰部リアアーマーにバーニアが内蔵されていなかった」とか「脚部の変形機構が異なっていた」とかそのあたりでしょうか。個人的には脚部が怪しいと思っています。カミーユ案では脚部にジェネレーターはなかったはずなので(グルック博士のアイデアだから)、脚部の設計が一番違うはずなんですよね。実はカミーユ案では脚部がハンブラビ変形なのかも。

 さて、残っているカミーユがMASシステムに関わっているかどうか、ということなんですが、アナハイムジャーナルによるとフレーム開発部門が考案したということになっているので、完成したZガンダムにはカミーユ案は採用されていないのではないかと思います。ただ、フライングアーマーの採用と同時にMk-IIのフレームのデータが取り入れられたとしており、ここにカミーユ案が混じっている可能性はあります。というのも、MASシステムはフレームそのものではなく、フレームを制御するシステムですからね。Mk-IIとZガンダムのフレームにはあまり共通点がありませんから、「フレームのデータが取り入れられた」というのは、「フレームを制御するシステムの(カミーユのMk-IIの運用)データが取り入れられた」ということなのかもしれません。
 また、Mk-IIは純地球系の技術のみで作られていることから、関節はフィールドモーター駆動であると考えられ、それを制御するMASシステムを搭載している以上、Zガンダムもフィールドモーター駆動であった可能性が高いといえます。このあたりがフレーム開発部門の設計したフレームからの変更点なのかも。
 ただ、変形機構をのぞいても単体のMSとしてMk-IIとはかなり異なるZガンダムですから、やはりMk-IIのMASシステムでは負荷が重い構造だったんじゃないかと思います。それが、Zワールドでの不具合に繋がっていくと。

 ここまできて、最初の「Mk-IIとディアスに新しい装甲を付け足した」という劇中の発言に戻ってみます。うーん、やっぱりわからん(笑)
 設定的に考えれば、Mk-IIのフレームとリックディアスの機体構造を併せ、外装は全くの新型、という解釈が妥当なような気がしますが、そもそもこの時点でカミーユはどんなMSを想定していたのか、という話になります。
 カミーユはこの時点で、Zガンダムが可変MSであり、フライングアーマーを用いた変形機構が行き詰っていたということを知っていたことになります。納期がかなりやばい時期だったので、カミーユにさえアイデアを求めたかった状況だったんでしょう。それに対して自分なりの回答を提示したというのが、カミーユの設計案だったのだと思われます。
 Mk-IIというのは間違いなくフレーム構造というか、MASシステムを含めたシステム面であり、新しい装甲というのはフライングアーマーを含めた、可変機構に対応した外装ということになるのでしょうが、ディアスというのが謎ですね。カミーユ案ではジェネレーターが両脚にないと思われるので、メインジェネレーターの配置なんかがディアスなのかもしれません。MGリックディアスのインストによると動力系は腹部にあるようなので、カミーユ案ではジェネレーターが腹部にあったのかも。

 では、カミーユが設計したガンダムについての概要をまとめてみます。
・左右に分割されたフライングアーマーが、脇の下を通って前に回り込む機構を持つ
・バーニアスタビレーターが可動し、MS形態にもAMBACユニットとして機能する
・変形時にバーニアが後方に集中しない(脚部変形機構が異なる?)
・ジェネレーターは3基もたない(腹部のみに搭載?)
・MASシステムにMk-IIのものを用いているため、フレームはMk-II系の純フィールドモーター駆動を採用(?)

 こんな感じでしょうか。意外と、具体的にまとまったなぁという印象です。ちなみに今回はあまり手広く資料を確認していないので、もし他の資料にも具体的にカミーユが関わったことを示唆する記述があるということをご存知の方がいましたら、教えていただけると幸いです。
スポンサーサイト
コメント
コメント
>一体型フライングアーマーを装備した試作Zガンダム
カツミー技師が一年戦争中に設計した「GT-FOUR」ですね
わかります

>Mk-IIとディアスに新しい装甲を付け足した

レ…レイピアⅠ
2008/09/09 (火) 23:48:11 | URL | コンラッド #8l8tEjwk[ 編集 ]
>一体型フライングアーマーを装備した試作Zガンダム
ここは外装変える前の1/2Zガンダム説を推すね
2008/09/10 (水) 08:06:54 | URL | ゼロウ #-[ 編集 ]
>カミーユはZ計画というプロジェクトがエゥーゴで進行していることを知った上で、その名を取って安直にZガンダムと名づけていたのではないかと考えられます。

多分、アストナージ経由。Z計画の一員だったらしい。(X68版 クラシックOP)

>一体型フライングアーマーを装備した試作Zガンダム

コレの設計叩き台になったのが、1/2Zの原型機といったところでしょうか?
この頃は変形試作で、姿はZガンダム然していなかったといったところでしょうか?
2008/09/10 (水) 16:52:53 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
>「Mk-IIとディアスに新しい装甲を付け足した」

私は単純に、MK-Ⅱにディアスの装甲を貼り付けたという意味に取っていました(笑)
劇中で一瞬出る設計図らしきものもそんな感じですし。
台詞の日本語をストレートに解釈すると、そういう結論にはならないですけど・・・
Zの台詞はそのまま受け取るとワケの分からない、ノリが思いつきっぽいフワフワしたのが多いので(NT的言い回しなのか!?)その一環じゃないかなぁ~と。

一応Mk-Ⅱの装甲材をクワトロに馬鹿にされてちょっとキレるカミーユという伏線があるんですよね。
クワトロ「所詮はMK-Ⅱということか」
カミーユ「それについては父も(以下略)」
2008/09/11 (木) 01:32:19 | URL | R.M #-[ 編集 ]
>コンラッドさん
GT-FOURはともかく(笑)、
Zレイピアは分離式のフライングアーマーに可動式のスタビライザー、
「引き込まずに胸ブロックの変形についてくる」首(Zガンダムのように開いた腹部の間に下りてくるわけではない)、
「容積縮小のため」に引き込み式になっているショルダースラスター、
形状からしてジェネレーターを仕込んでなそうな、スラスターも少なめな脚部と、
カミーユ案の特徴らしきものがてんこもりなので、
真面目にカミーユ案を具現化した機体なんじゃないかと思ったりします。

>ゼロウさん
確かに、ハーフゼータに近いものがあるんですよね。
直接変形をあきらめて機体から切り離したというだけで。
リ・ガズィ→リ・ガズィカスタムの逆進化ですね。

>とっぱさん
試作案にZガンダムのパーツを流用して、
外見だけでもガンダムらしくした上で、
保持力強化のために別の腕部ユニットに取り替えたのが、ハーフゼータなのかもしれませんね。

>R.Mさん
富野台詞って真面目に読むと意味不明なんですよね(笑)
仰るように言いたかっただけなのだとは思うのですが。

Mk-IIの装甲材のネタはMk-IIIへの伏線でもあったように思うんですが、
そっち方向には生かされませんでしたねぇ。
2008/09/11 (木) 22:26:57 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
ドラクエか、Silverlight3か今日のお題は悩むところだが本業×ガンダムネ
2009/07/10(金) 12:11:42 | Azureの鼓動
copyright © 2017 がんだまぁBlog all rights reserved.
Powered by FC2ブログ.