がんだまぁBlog
ガンダムネタだけを語るブログです。
永野版ガンダムを全て設定に組み込んでみる
 永野護氏は、実は「ガンダム」の名がつくMSで採用されたものが1つもなかったりします。が、ベースデザインとして、ガンダムMk-IIや百式のデザインの雛形を担当していたり、ZZガンダムやνガンダムのデザインを書いて没になっていたり、あるいは自分流にアレンジした百式やZガンダムを何パターンも書いていたりと、ガンダムタイプの画稿はいくつも残しています。
 これらの、日の目を見なかった永野デザインの没ガンダム達を、設定に組み込んでやろうという企画。無茶はもとより承知です(笑)
 今回は、こちらのサイトの「永野護氏デザインMS大全」を参考にさせていただいています。また、永野MSを語る上では欠かせない、旧版の小説版Zガンダムはさすがに未入手であります。以前、普通に古本屋に売っていたのを見たことがあったんですが、確保しておくべきだったかなぁ。

 永野ガンダムには同系MSのデザイン違いというのが多数あり、これを全て肯定するのは難しいので、そういうものは企画段階の完成予想図と、完成後の外観などとして区別するしかないと考えます。

(1)ガンダム続編主役候補機
 まずは、前半主役機がガンダムMk-IIとなる前からデザインされていた主役機候補。全部で3パターンあるようです。

プロト百式
 これが一番最初の永野ガンダム。百式のベースデザインになっただけでなく、Mk-IIの最初期のデザインとなったほか、永野氏自身はこのデザインからリックディアスのデザインを描きおこしています。また、旧版の小説版Zガンダム2巻の表紙に描かれた百式(通称百式バッシュ)もこの機体を元にしていたとされます。
 画像はZガンダムエースVol.1より。かなり鮮明な画稿です。この機体は非変形であり、コアファイターを内蔵していることが設定画に記されています。
 設定を与えるならば、これが百式系の始祖となった機体と言えるでしょう。MG百式インストにある、「開発母体となったのは、リック・ディアス以降の開発計画における近接、格闘戦闘用MSの基礎フレーム」というのは、この機体のことを指しているのではないでしょうか。また、機体そのものは百式バッシュ(ごめんなさい、画像は未入手です)を通して、エプシィガンダムの母体になったと考えると、デザイン的にも都合が合うかもしれません。シャアが乗ってトライアルを行った、というのも百式バッシュなのかなと。
 ここでは「ガンマ以後、エプシィ以前」の機体である事から、この機体こそ真なるデルタガンダムであるとしたいと思います。そのため、便宜上「プロトデルタ」と呼ぶことにします。

零式試作機
 こちらは上記のプロトデルタよりも有名なデザイン。設定資料でよく見かけるのはこちらのデザインです。シールドのデザインがネモに転用されています。リックディアスへも直接的にはこの機体がベースになっているのかな?
 基本はプロトデルタと同デザインで、主に腕と足、頭部のデザインが変更されています。こちらの機体は可変MSであるということがメモ書きから分かっていますが、どこがどう変形するのかは不明です(苦笑)。おそらくこのデザインの変形パターンがいまいちだったことが、百式の「変形機構を組み込もうとしたが、構造に欠陥が見つかり非変形機として再設計された」という設定に反映されているのだと思います。
 なお、このデザインは小林誠氏により、後に「零式試作機」の名称が与えられ、「モビルスーツ史上、最も異質の機体である。その後のスーツデザインに与えた影響は大きい」「もっともそれまでの技術体系と異なる部分は、シールド、一部の兵装を利用した機体形状の相対関係を関節モーターによって短時間に移動させ、より機動的な機体形状へ移行させるというものであった」という設定文が添えられています。この記述がこの機体の変形機構のヒントとなりそうです。文面から察するに、所謂戦闘機型への変形をするのではなく、MAというか、単純に直進方向への推進に特化する、運用法としてはSガンダムBst的な戦法を得意とする形態になるのかなと思います。
 設定としては、プロトデルタに可変機構を組み込もうとして失敗し、百式として再生する前の機体だったというところでしょうか。その場合、ウェイブライダーに変形する現在のデルタガンダムは、あくまでZガンダム完成後にその変形機構をデルタ系列で再現したものであり、決して「非変形に再設計される前の可変百式」ではなかったということになります。

永野ガンダム
 これは上記2種のデザインとは全く異なるラインのガンダム。歴代永野デザインの中でも極めてファーストガンダム的というか、大河原的なデザインになっている珍しい機体です。現状、このデザイン画が掲載されているのは「スーパーロボットジェネレーション」と呼ばれる歴代サンライズロボットアニメの設定画集のみです。
 頭部バルカンのシステムがMk-IIに酷似しているので、個人的には、これはMk-IIのデザイン過程の中のひとつなのではないかと思っているのですが、証拠は何もありません。バックパックのデザインはフライングアーマー的であり、この点はむしろZガンダムに近いといえるのですが…
 ルーツ不明のため設定にも組み込みづらいのですが、まぁせいぜい「アナハイムが参画していた頃のガンダムMk-IIの設計案のひとつ」というところでしょうかねぇ。

(2)エプシィガンダム
 元はティターンズにおけるガンダムMk-IIの競作機、その後ガンダムMk-IIとZガンダムの中間機となる予定だったのがエプシィガンダムですが、この設定の時点でデザインが描き起こされていたかはよくわかりません。
 永野氏がエプシィとして発表したのは、旧版小説版Zガンダム1巻表紙に描かれた頭部デザインのみのガンダムが最初です。この頭部デザインと百式バッシュのデザインを組み合わせて描かれたのが、モデルグラフィックス版エプシィガンダム、小田氏によって「核パルス推進システムの実験機」という設定が与えられたMSとなりました。
エプシィ
 百式はこの機体の設計を流用しているとのことなので、零式試作機をこのエプシィの基礎設計を参考に非変形に直したのが百式、ということになります。開発系譜としては、
プロトデルタ→百式バッシュ→エプシィ
 ↓                 ↓
零式試作機→   →    →百式
 ということになるのかなと。上段がデルタ・イプシロン系列、下段が仮ゼータ系列で、最終的にゼータはまた別機種ということになったので、残った百式をデルタに再ネーミングしたのではないかと思います。

(3)タイプ100
NT8708 004
 1994年になってからデザインされた、永野版百式と言える機体。グライバインダーを装備しているなど、エプシィ系列の意匠が継承されています。
 永野氏の脳内設定によると、エプシィ不採用後、「ある人物」のひそかな要求により開発されたガンダムで、グライバインダーを採用していたが、その後アクシズ・ネオジオン戦においては、反抗軍の用兵上の注文により、外装も色も異なる仕様で運用されたとしています。パイロットはシャアであると暗示されていますね。
 設定的には百式とかぶっている部分があるのですが、「ある人物のオーダーで特別に開発された、極めて高性能な機体」という側面が、本来の「変形に失敗した機体を再設計したもの」とは到底一致しない設定になっているので、百式とは別機種であると考えたいところです。
 「アクシズ・ネオジオン戦」で投入されたということなので、グリプス戦役というよりは第一次ネオ・ジオン戦争で使用されたと考えられます。そのため、この時代にシャアが乗っていた、百式を再設計した百式改に近い位置づけにあるMSであったと考えるのが妥当かなと思います。つーか実機は色も外装も違ったということなんで、百式改のオリジナルと考えることも不可能ではないです。かなり無理がありますが。

 ちなみにこの解説文において、Eタイプ(エプシィガンダム)と呼ばれる機体のパーツが、ネモなどのほかのMSに流用解釈されたとしています。これはプロトデルタか、零式試作機であると思われますが、エプシィと呼ばれている以上、考察上は百式バッシュのことであったと考えるのが都合が良いのですが…。でもネモに流用されてるデザインって零式試作機だよなぁ。
 そのエプシィガンダムは、「リックディアスの反乱軍への供与が影響したのか、連邦軍の次期MS争いではMk-IIとゼータに敗れた」と解説されており、まるでZガンダムがアナハイム製ではないかのような説明のされ方をしています。まぁ、この解説においては連邦軍=アニメの主役機ってことでしかないわけですが。
 まぁ、この解説文は、最後に「全部ウソ、真っ赤なウソ」と書かれており、信憑性はゼロだからいいんですけどね(笑)

(4)Zガンダム
 主役機候補ではなく、現在のZガンダムのデザインが決定した後に、永野氏が別にデザインしたZガンダム。
 一番最初の永野版ゼータは、旧版小説版1巻の扉ページに描かれたものがあるようなのですが、これは所持していないのでよくわかりません。どうも、現在の公式Zガンダムを純粋に永野氏がリファインしたもののようです。
 次のゼータは、通称「百壱式」と呼ばれるもので、名称はMG別冊「プロジェクトZ」用に描かれたデザインからですが、デザイン自体は旧版小説版Zガンダム5巻の表紙に描かれたものが先のようです。頭部の両側面にモノアイがある凄いデザインのMSですね。バックパックにはグライバインダーを装備しているそうです。
百壱式
 ウェイブライダー形態は旧版小説版Zガンダム3巻に描かれているようです。この巻の表紙には、この百壱式のベースデザインとなったと思われる謎のガンダムがフォウと共に描かれています。

(5)ZZガンダム
 永野版ZZガンダムというのは比較的有名で、ワイツミラージュとしてファイブスター物語に逆輸入されたことでも知られています。当時はホワイトガンダムと呼ばれていたとか。
ワイツミラージュ
 これはA・Bの2機に分離できるのですが、その機構が複雑すぎて商品化が難しいため、没になったそうです。その後藤田氏がリファインしているのですが、それでもダメだったみたいですね。かくして、急遽小林氏が土壇場でデザインしたのが、今のZZガンダムということになります。

 このガンダムは、小林氏により「プロトエプシィガンダム」という名称と「サイコガンダムからZZへの橋渡しとして重要な機体」という設定を与えられています。サイコガンダムMk-Vとして開発された、全長28mの機体で、機体各部を切り離し、全身に装備された17基のビーム砲によるオールレンジ攻撃が可能であったとしています。その上で、上下に分離、及び合体してのフォートレス形態を取ることも出来ると。ジオングをガンダム化したのがサイコガンダムなら、これはグレートジオングをガンダム化した機体といえそうですね。
 ネーミングに関しては、以前考察したように「エプシィガンダムの試作機の1つ」であると考えるしかないかなと思います。エプシィの開発計画は長期計画だったということなので、その過程の中での1機だったと。それが何故サイコ系の後継機だったのかといえば、単に流用しただけとか、そんな感じです。

(6)Hi-Sガンダム
 デザイン未公開の、「逆襲のシャア」主役機になるはずだった機体。異形すぎて没になって、結局出渕氏の現在のνガンダムが採用されたというのはよく知られている話です。
 これに関してはデザインもわからないし、単純にνガンダムの競作機と考えるしかないのかなと。アムロが設計案を持ってくる前に、ナガノ博士がアムロに「こんなんどーよ?」と提示したら、「構造が複雑すぎる。もっとシンプルなのがいい。例えばこんな感じの」と、アムロが自ら提示した案が採用されちゃった、とかそんな感じで。


 と、こんな感じで画像満載でお送りしてみました。たまにはこんなお遊びもいいですよね。
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コメント
コメント
こうやって見ると没MSも中々味がありますね。
エプシィなんかはMGで設定画が書き起こされていたり(私は見たことありませんが・・・汗)ZZはFSSで登場したりしているので他のもリファインすれば・・・とか考えちゃいます。難しいでしょうが・・・。

2008/08/16 (土) 11:59:12 | URL | クレア #I4t1ZHtI[ 編集 ]
ベタながら「あ、ヘビーメタル」と思ってしまう私が存在しております…(苦笑

プロトデルタと零式試作機があると、百式/δガンダムの開発経緯がやたら綺麗につながって、なんか良いですねー。
開発に失敗したなら失敗したで、ちゃんとその経緯が見えれば、より説得力が備わる…という気がしますし。
グフ飛行試験型の失敗が結果的にドムのホバー移動を生んだような、そういう開発背景が1年戦争以降にもあるハズだと思いたいですね。

そしてきっとこーゆー機体は、U.C.0130年代頃とかに「世界の駄っ作MS」として岡部ださく氏が記述しているのでしょう(妄想先走り過ぎ
2008/08/17 (日) 02:40:18 | URL | 闇鍋影人 #-[ 編集 ]
>クレアさん
MSVなんかも没稿の流用が数多くありますし、
世が世なら永野氏の没デザインがZ-MSVとなっていた可能性もあるんですが、
永野メカはそもそも模型化が難しい、ということで敬遠されてしまったんでしょうね。
今なら模型化もできそうですけどね~。
永野氏本人がリファインしなくても、
カトキ氏か誰かが永野没デザインをリスペクトしたMSVを描いてもいい気がします。

>闇鍋影人さん
武装やバインダーなんかは思いっきりヘビーメタル引きずってますよね。
GP02はリックディアスをある程度意識したデザインでしたが、
GP01がプロトデルタを意識していたら面白かったな、なんて思ってます。
2008/08/17 (日) 18:30:17 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
永野版ZZなら
ここで立体化した人がいますhttp://homepage3.nifty.com/damian/page036.html
2008/08/17 (日) 22:02:03 | URL | #-[ 編集 ]
こ、これは素晴らしい…
さすがプロとしか言い様がありませんな。
何気にZ顔なのが面白いです。そうも見えなくはないか。
2008/08/19 (火) 18:22:35 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
いわゆるZ顔が永野氏の発案だという説は80年代からありました。

第一稿の頭部デザイン、特にヘルメットとマスクは現行のZガンダムに影響を与えているのではと思います。現行のZを仕上げた藤田氏いわく、Zを含め、作中で氏が手がけたデザインは、氏のオリジナルと呼べるものは殆ど無いと告白していますから。
2008/09/19 (金) 16:44:19 | URL | マリア #iFS4Q/0Q[ 編集 ]
確かに、Z顔は原型をたどれば永野ガンダムに行き着きますからね。
ある意味エルガイムから発展したデザインとも言えるのかもしれませんね~。
2008/09/21 (日) 21:40:45 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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