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ガンダムネタだけを語るブログです。
シロッコは何故ティターンズに招聘されたのか
 パプティマス・シロッコという人間は、明らかにティターンズという組織にはそぐわない人間でした。地球出身のエリートで揃えられた精鋭部隊のはずなのに、木星帰りの、地球の重力に落ちることを毛嫌いするニュータイプが入ってるわけですからね。ニュータイプを恐れてアムロ・レイを幽閉する一方で、その数倍は危険そうなこの男を、ティターンズは何故採用したのでしょうか。

 ここで確認しておかなければならないのは、シロッコがどこに所属していた人間か、ということです。それは、木星への資源採掘輸送艦であるジュピトリスでした。しかも、資料によってはシロッコはジュピトリスの艦長であったとしています。
 この木星船団、自分は長らく中立の組織であると勘違いしていたんですが、どうもそういうわけではなく、特定の組織に属しているが、いかなる組織も木星船団だけは手を出してはならない、という条約があるだけで、普通にジオン軍も木星船団を保有していたんですよね。そして、ジュピトリスは連邦軍所属の木星船団の1つだったわけです(ジュピトリスの所属は連邦軍であると、大抵の資料で明言されています)。ん?単艦だから船団じゃないか?他にも随伴艦とかがあったのかな?
 木星船団は、木星からヘリウム3を持って帰ってくるために存在しています。このヘリウム3は、核融合エンジンなどに使用される重要なエネルギー源で、今でいう石油以上に価値があるものといえます。現代において、石油はオイルマネーという単語があるように、油田を保有しているだけで莫大な利益を生みうるものであり、それを握っているだけで超大国と対等以上の交渉が出来る代物です。つまり、それに匹敵する価値のあるヘリウム3を握っているジュピトリスは、連邦軍の中でも極めて特別な存在であり、通常の軍隊とはまた違う権限を持っていたと推測されます。そして、そんなジュピトリスの実験を握っていたのが、シロッコなのです。

 となると、シロッコのジュピトリスというのは、連邦軍内にあって特権的な立場を確保しているティターンズとさえ、対等以上に交渉できる立場にあったと思われます。が、そのシロッコは、ジュピトリスごとティターンズに与し、ジャミトフに忠誠を誓っています。これはどういうことなのか。

 結論から言えば、ティターンズが本当に欲していたのは、シロッコではなくジュピトリスのヘリウム3だったのでしょう。そして、シロッコはそれを承知の上で、ヘリウム3をティターンズに譲渡する代わりに、自らをティターンズの中枢に食い込ませたのではないでしょうか。
 ティターンズは、ゆくゆくは連邦軍の完全なる上位組織として、連邦軍の全権を握る予定であったわけですから、当然連邦軍所属であるジュピトリスは抑えておきたい存在だったわけです。そして、シロッコは単なる資源採掘艦のリーダーではなく、もっと軍の中枢に身を置きたいと思っていたのでしょう。そのために、シロッコはジュピトリスに加え、自らの忠誠まで与えることで、ティターンズという(それもバスクに次ぐ)立場を確保したのではないでしょうか。ティターンズとしては、シロッコという異分子を混ぜ込むリスクを抱える代わりに、エネルギー資源を独占することができたということですね。

 何故ティターンズがそこまでしてジュピトリスのヘリウム3を欲しがったのか、という点においては、単に抑えておきたいというだけではなく、もしかしたらコロニーレーザーのエネルギー源として必要だったからなのかもしれません。かつてのジオンも、シャリア・ブルの木星船団を確保した後に、ソーラ・レイを完成させていますし。
 それに対し、シロッコがジュピトリスを差し出してまでティターンズに与したかった理由はいまいちはっきりしないんですよね。そもそものシロッコの目的からして不明瞭なので。単純に、時代の流れを見定めるには、現時点での時代の勝ち組に近づいておいたほうがいい、という判断だったのでしょうか。アクシズが戻ってくるや否や、早速独自に接触してミネバに忠誠を誓っていたりしているのを見ると、そんな感じにも思えます。歴史の立会人でありたいからには、歴史を動かしそうな人とはできるだけお近づきになっておこう、というところでしょうか。
 それにしては、エゥーゴの代表には全く手を出そうとしていませんでしたけどね~。実は裏でメラニーとも接触してたりしてたんだろうか。それとも、エゥーゴは時代の勝者にはなり得ないと分かっていたのか。まぁ、単純に最初にティターンズに入ったから、その敵であるエゥーゴとは接点を持てなかったというだけかもしれませんが。アクシズは第三者であって、ティターンズの完全な敵ではなかったですからね(ジオン残党狩り部隊だったという事を考えると、極めて皮肉な事実ですが)。

 ともあれ、言わばティターンズは崩壊を招く危険のある男を招き入れる代わりに、コロニーレーザーという絶大な力を手に入れたとも言えるわけですが、結局総大将であるジャミトフはそのシロッコに暗殺され、ティターンズの主力部隊はそのコロニーレーザーによって壊滅したわけですから、結局のところシロッコの招聘は失敗だったということになるんでしょうね。
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コメント
コメント
>シロッコがジュピトリスを差し出してまでティターンズに与したかった理由

ソード兵器により木星師団の戦力の大半が消耗したから(タイラントソード参照)
苦肉の策なんだよ(w
2008/08/12 (火) 22:03:30 | URL | とっぱ #B8xSsyyA[ 編集 ]
ジュピトリスにも当然乗組員がいたわけで、
シロッコが艦長だったなら当然、
そういったクルーの総意も考慮しなければ
ならなかった事と思います。

そういう意味では、シロッコの野心を除いても、
ジュピトリスクルーが「長いものに巻かれる」のを
望んでた可能性もあるかも?
実際、ティターンズについてた方が
待遇が良かったりしたんじゃないですかね?
2008/08/12 (火) 23:52:07 | URL | zsphere #mgsj5vwc[ 編集 ]
>単艦だから船団じゃないか?他にも随伴艦とかがあったのかな?

ロンバルディア級は木星船団の護衛用として建造されたタイプです
・・・とソードネタに便乗してみる
2008/08/13 (水) 09:52:17 | URL | ゼロウ #-[ 編集 ]
ジュピトリスクルーの葛藤は近藤和久氏のバニシングマシンにおいて描写されていますね。
2008/08/13 (水) 19:39:42 | URL | ポルノビッチ・エロポンスキー #-[ 編集 ]
>とっぱさん
あぁそうか、元々はティターンズに匹敵する勢力だったのに、
策略でソード兵器と共倒れになって、
ティターンズに加わるしかなくなったんですね(笑)

>zsphereさん
劇中には、シロッコが部下にどう思われていたかっていう描写が全然なかったですからね、そこは盲点ですね。
一般兵の空気がないんですよね、ゼータって。

木星船団が独自のカードを持っていると言っても、
実質は島流しに遭った独立愚連隊のようなものなのでしょうから、
中枢に近づけるならそれは大きな出世とも捉えられるのかもしれませんね。

>ゼロウさん
なるほど、その設定もありましたか。
アレキサンドリアとロンバルディアの違いはそこにあるというわけですね。

>ポルノビッチ・エロポンスキーさん
そうですね、あれがジュピトリスのその他大勢が描写された唯一の作品かもしれません。
「シロッコって何考えてるか分からんけど、悪い方には導かれないだろう」という感じだったんでしょうかね。
2008/08/13 (水) 22:26:37 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
シロッコ
はじめまして
素晴らしい考察ですね!
私は
シロッコは当初は将来有望な人材として連邦のエリートコースにいたのに
なんかおかしなことして
(たぶん連邦の偉い人の娘をたぶらかした)僻地にとばされてたのが戦争がはじまって「チャンス!」とばかりに勝手に帰ってきた人だと思ってました。(笑
2014/05/10 (土) 11:23:12 | URL | 雪風 #wLMIWoss[ 編集 ]
初めまして、書き込みありがとうございます。

個人的には、シロッコは最初から木星開発のために育成された人間だと思っています。
戦時昇進ならともかく、平時の連邦軍であの年齢で旗艦の艦長をやってるのはちょっと異常ですしね。
でも、アムロのように危険だから飛ばされていた、という解釈も十分可能だと思います。アムロとの対比を考えるとその方が自然かもしれません。
2014/05/23 (金) 23:26:30 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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