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ガンダムネタだけを語るブログです。
月初のガンダム以外の話「野球の日本代表」
 先月は機を逃したので今月はやります。ちょうど侍ジャパンの試合をやってるタイミングなので、常日頃疑問を感じていたことについて。


 すでに当たり前のことではあるんですが、野球はオリンピックからも除外されたように、国際的なスポーツとはとても言い難いものです。バスケやアメフトと同じように、アメリカ発祥でアメリカ国内を中心に栄えているスポーツであり、普及している国が少なすぎます。
 だから野球の国際大会という発想にはかなり無理があるのですが、だからといって野球の日本代表戦が難しいとも言い切れません。そもそも、日本の野球はプロ野球ができる前から、日米野球という形で行われていたからです。

 もともと、野球というスポーツ自体がアメリカからもたらされたわけですが、そのためかアメリカとの交流試合というのも古くからありました。ある意味では、日米野球はアメリカとの国際交流の一環であったのだと思います。というか日本における野球というスポーツ自体が、アメリカとの国際関係とかなり密接に結びついているものであるようです。
 だから野球の日本代表というのは、アメリカ代表と戦うために組織されるものであり、その本質は今でも変わっていないのだと思います。そもそも読売ジャイアンツというチームは、もともとは当時の日本代表チームですからね。その時点で日本のプロ野球というスポーツは他のリーグ制でやっている集団スポーツとは根本的に異なる性格を持っているのですが、そこを掘り下げると別の話になってしまうので今回は省きます。

 とにかく、日本代表というのは対アメリカにおいて組織されるもの、ということになるわけですから、単純に日本のオールスター対アメリカのオールスターと考えれば、今の方がメジャーリーグの知名度も高いですし、面白そうであると思えます。
 ただそうもいかないのが、アメリカと日本の国際大会に対する意識の差ということになるんでしょうね。アメリカの野球界は日本以上に国内で完結していて、その外に意識が向きにくいようです。だからオリンピックでも、WBCでも、国際大会に注力するという発想がありません。サッカーだと、国内リーグの最中でも代表に招集して国際大会をやりますが、野球ではそんなことは絶対にあり得ないのです。
 昔は日米の力の差が大きかったので、遊びの延長のアメリカ代表でもなかなか勝てないレベルであり、日米野球をやる意味は日本側にはありました。しかし日本の選手がメジャーリーグに多く進出できるようになってくると、日米野球をやるよりメジャーに挑戦した方がよりレベルの高い試合を通年行うことができるようになり、日米野球の存在意義が薄れてしまいました。だからなくなってしまったんだと思いますが。

 サッカーでも、ある意味ではワールドカップで勝つことよりもヨーロッパの強豪チームに所属してレギュラーになる方が選手としては成功と言えますが、それでもワールドカップには高い価値があります。それは国別対抗の歴史が深いからということもありますが、ワールドカップで活躍することは、より強いチームからのオファーが来る確率が上がることと同義だからという側面もあるのではないかと思います。
 つまり、野球においては、日米野球やWBCで活躍したからといって、メジャーリーグに行きやすくなるという仕組みができていない、ということが問題であるのかもしれません。

 それでも日本代表戦をやらなければならない、という状況になっているのは、単純にプロ野球の人気が落ちているからであるかと思います。他のスポーツは国際大会の方が視聴率が高い、だから野球も国際大会をやらなければならない、という発想が根底にあるように感じます。
 ただ、これこそ短絡的なのかなと思います。そもそも野球というスポーツはバックグラウンドが他のスポーツと根本的に異なるので、表面上マネしたところで本当の意味での野球の魅力は伝わらないと思うんですよね。結局何のために国際大会をやってるのかわからないので、しらけてしまうという。
 サッカーの代表戦って、常に明確な目標があるんですよ。親善試合であっても、ワールドカップの準備という明確な理由があるんです。でも野球の場合、それがないんですよね。いくら次のWBCのための準備と言っても、野球の場合サッカーほどチームの連携の熟成が必要なスポーツではないですから、そんな前から準備してもしょうがないんです。
 また、サッカーの日本代表は海外組も含めたトップレベルの選手を集めた日本人最強のチーム、という強みがありますが、野球の場合はどうしてもそういうプライオリティを感じにくくなってしまっています。これは、一つはメジャー所属の選手が参加しないということと、もう一つはプロ野球のチームバランスが健全ではないこと、というのが挙げられるかと思います。

 メジャー所属の選手が参加しないというのは、単純にメジャーリーグ自体が国際大会に全く積極的ではないということに尽きると思います。もっと言えば、アメリカ人にとって野球の国際大会を行うメリットがない、ということになるでしょうか。かといって、アメリカ抜きで野球の国際大会をやろうとしても、アメリカがいないのでは優勝に重みがなくなってしまいます。
 もう一つが、日本代表を編成しようとしても、純粋な最強チームにならないということが挙げられます。そもそも監督の人選からして透明ではないですし、チームバランスも各チームから何人までとか、チーム同士の政治バランスが考慮されるようです。このあたりの「オトナの事情」が強すぎるあたりが、日本の野球界の根本的な問題かもしれません。

 つまり、野球の日本代表戦、というものをビジネスとしてちゃんと成立させるには、アメリカ特有のスポーツであるという問題と、政治色が強すぎるスポーツであるという問題、この2つの解決が必要なのではないかと思います。どれも根本的な問題ですが(汗)
 そういう意味では、どちらかというと野球の日本代表戦はむしろ「やらないほうがいい」のかもしれません。歪な環境で無理にやるくらいなら、今のプロ野球やメジャーリーグとの関係をしっかり整理することの方が重要であるように思えます。
 アメリカを変えるのは日本を変えるより難しいでしょうから、まずは日本から変わっていくしかありません。個人的には、パ・リーグが主導権を握っていくことが大事なんじゃないかと思います。セ・リーグはどうしても巨人中心ですし、阪神とか他のチームもかなり政治色が強すぎるように思います。マスコミともベタベタですし。パ・リーグの方が正常に競争原理が働いていますし、選手も成長しやすいように思えます。メジャーに行って活躍する選手も、パ・リーグの方が多いですよね。

 パ・リーグの方が評価されるようになって、古い体制が少しずつ変わっていって、アメリカとの関係も変わっていって、その時初めて野球の日本代表に本当の魅力が生まれるのかもしれません。気の遠くなる話です。
 日本において野球は最も国民にとって馴染みのあるスポーツであり、歴史が古く、プロスポーツの代表格という認識ですが、国際的に見た場合、実は極めて後進的なスポーツなのかもしれません。まだまだ、始まったばかりなのです。
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コメント
コメント
ただそれでもスタメン表を見るとワクワクしてしまうのがファンの性といいますか
中田や浅村なんかが中軸に並ぶだけでニヤニヤしてしまうのです
2013/11/18 (月) 20:05:27 | URL | #-[ 編集 ]
シーズンが終わっても野球の試合があるというのは一つの魅力ですよね。
あえてサッカーの真似して国際戦なんてやらなくても、もう少し別のやり方でそういう試合を組めるんじゃないかという気はします。
2013/12/08 (日) 15:28:22 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
たしかにWBCには無理が
サッカーは野球と違って遊び易いですからね。
ルールもさほど難しくないし、道具も少ない。

それに野球はサッカーと比べて指を怪我しやすいという欠点がありますから。
職人系の仕事をしてる人はやりたがらないのです。
おまけに、投手一人に過重な負担がかかるという欠点が。
なので、どうしても国際的なプロスポーツにはなりにくいのです。

たしかに無理して国際的なスポーツのふりをするのは野球界にとってマイナスにしかならないと思います。

あと、甲子園で酷使して将来を台無しにする投手が多いってのも何らかの改善策が必要だと思います。
派手なワールドカップなんぞに血道をあげるよりも。
まずは地道に長期的な選手の育成と参加しやすい環境をつくらないと足元からコケるきがします。
2013/12/24 (火) 00:15:23 | URL | DN #mQop/nM.[ 編集 ]
どうも野球というスポーツは、軍隊教育のノリを引き継ぎ過ぎているような気がするんですよね。
甲子園に送りだす母校の振る舞いなんか、軍人を戦地に送り出すのに非常に似ていると思うんです。
政治色が強いというのもその辺の体質から来ている側面があると思うので、
とにかく「普通のスポーツ」になることがまず必要なんじゃないかと思います。
競技としては、とても魅力のあるスポーツなんですから、もったいないですね。
2013/12/29 (日) 21:51:28 | URL | ルロイ #-[ 編集 ]
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