では、MS-06ザクIIを通して、ジオンのMSがどのように発展していったかという話をしよう
いわゆるMSVですね!
今回は種類順や形式番号順ではなく、開発時期の順番に解説していこう
今までも時系列順ですもんね
いわゆるMSVですね!
今回は種類順や形式番号順ではなく、開発時期の順番に解説していこう
今までも時系列順ですもんね
最初に開発されたのは、MS-06Aという機種だ
以前雑誌の特集で見たことがあります。両肩に球形のアーマーを装備しているんですよね
ロールアウトしたのは、0077年8月であったという記録が残っている。だが、この半年以上前、0076年12月には、ジオン軍は地球上で運用する局地戦MSの開発を決めている。そのため、このMS-06という機種は当初から地上戦へ対応している機種となった
でも、最初のA型って、凄く配備数が少ないんですよね。実機の写真も見たことないし。何でです?
それについては、私も詳しい事情を知らない。だが一説によると、対MS戦を全く想定しないのはどうかという話が出て、近接戦装備を標準装備とする仕様が開発されることになったからだ、と言われている。
ああ、それでザクの肩にスパイクアーマーがついたんですね
そうだな。続くC型では、スパイクアーマーとシールドが装備された。これらの装備の開発には、ザク同士での模擬格闘戦によるデータが参考にされていることは、言うまでもない
なんでA型の次がC型なんです?B型ってないんですか?
ない。
あ、あっさりしてますね…実はあったけど問題があってすぐ生産が打ち切られたとか、特殊な機体のためのコードとして使われていたとか、なんかそういうのないんですか?
ないものはない。記録にも全く残されていないのだから、推測のしようもない。初めから空いていたのか、それとも何らかの理由で欠番になったのか、それもわからん
うーん、いきなりミステリアスですね
とにかく、このC型は開戦までの主力機として採用され、大量生産に入った。このC型をベースに、バリエーション機の開発も始まっている
あれ、ザクのバリエーションって基本的にF型が始点だったって聞きましたけど
後世の視点で見ればそうなるが、実際はすでにC型が完成した時点でバリエーション機は開発されている。代表的なのは、強行偵察機であるE型だな
ミノフスキー粒子下で、敵の艦船数を直接確認したりするときに使われた機体ですね
そうだ。このE型はC型から派生したバリエーションだが、後にF型ベースでも生産されている。その意味が分かるか?
えーっと、C型とF型の違いは、核弾頭使用時の放射線対策が施されているかいないかだけなんですよね
その通り。そして、E型は通常のザクから戦闘用の装備を排除し、偵察機能の強化と推進器の換装・増設を行ったものだ
つまり…E型は元々核の使用を前提としていないわけで、それはF型と同じなんですね。結局、C型をE型にするっていうのは、間にF型を挟んでいるようなものなんだ
そう。ベースがC型であっても、F型であっても、E型の機能が変わるわけではない。これは、陸戦用のJ型でも同様だ
地上で核を使うのは、リスクが大きすぎますもんね。南極条約がなくったって、元々核の運用はザクには無理ですね
地上での爆発力は宇宙空間の比ではないからな。ザクで核など撃ってしまっては、爆発に巻き込まれるのがオチだ。巻き込まれないほど目標から離れるのであれば、固定砲台からミサイルとして発射した方が遥かに早い
じゃあ、J型も元々はC型をベースに開発されたんですか?
当初はそうだ。結果的に量産される際は、先んじて量産されていたF型をベースにしていたが、研究段階ではC型をベースにしていた。その時点でF型はまだ開発されていなかったからな
陸戦型MSの研究は、A型が完成する前から始まっていたんですもんね
そう。この時点で水陸両用MSの研究も始まっていたといわれる。後にM型と呼ばれる機種の雛形だな
M-1型でしたっけ?最近連邦軍がリメイクして量産化したとかって話も出てましたね
陸戦、水中戦というのは、地球侵攻作戦を行うにおいて避けては通れない道だ。当初は陸上への降下による内陸の拠点攻撃と、水中への降下から沿岸の拠点を攻撃する2通りの戦略があったのだが、水中用MSの開発が難航したために、結局地球降下作戦は陸への降下だけに絞られた。こうして、J型の大量生産が決定したわけだ
その前に、F型が量産されていますよね。いつ頃から量産が始まったんですか?
それについてははっきりしていない。現実的に主力機として大量生産が始まったのは南極条約締結後だが、その前から、核の運用を前提としない部隊への機種として生産は始まっている。ある時に急に生産が始まったのではなく、細々と始まった生産が徐々に増えていったから、具体的な時期が記録に残っていないのだな
世が世なら、F型はC型のバリエーション機の1つでしかなかったのかもしれませんね
そうだな。まぁ、もし短期決戦で決着がつかなかったら、その時は核は使用禁止になるだろうという憶測はすでにあったから、結局F型が主力になっていたかもしれんがな
F型、J型の後は、宇宙用と地上用で枝分かれして発展していきますよね
そうなるな。F型の発展型としては、推力30%増しのS型がある。これは高速戦闘を得意とするパイロットが、F型では性能不足であると感じ始めたことから開発された機種だが、事実上の指揮官専用機として運用されることになった。これは、ルウム戦役までに活躍したエースパイロットが、ほとんど指揮官に任命されたことによるものだ
指揮官のために開発されたというよりは、エースのために開発したらみんな指揮官だったっていう感じでしょうか
そういうことだ。本来は、指揮官だけが別機種で運用するというのはあまり効率が良くないのだが、後方で指揮するS型が、緊急時には一気に最前線に出るという戦法を取る際には有効だったようだな
元々パイロットもエースが多かったから、上手く扱えたんですね
そう。逆に、扱うパイロットを考えずに配備してしまったのが、その更なる発展型であるR型だ
出た、宇宙用ザクの中で最高の機種ですね
R型はS型と違い、純粋にF型の後継発展型、つまりエース用ではなく一般兵用に開発された機種だ。だが、高性能化のために犠牲にされた操縦性や、高すぎる推力に推進剤の積載量が追いついていないという問題が、事実上熟練パイロットでなければ満足に操縦できないような機体となってしまった
ザクベースでの強化には、限界があったんでしょうか
そういうことになる。結局R型はS型以上にエースパイロット専用機となってしまい、生産も少数に留まった。設計の異なるR型は、他の機種との生産ラインの流用が効かず、無駄に生産ラインを消費してしまうことになってしまった
なんかもう、大量生産品の隅っこで職人の工芸品を作ってたって感じですね
それだけの性能があったことは確かだが、結果論としてはそのために費やした時間、経費、資源をゲルググの開発に割けば、もう少し戦局は変わったかもしれんな
まだまだザクでやれる、って思っちゃったところがまずかったのかもしれませんね
連邦軍のMSの開発スピードが予想以上だったというのもあるがな
地上におけるザクのバリエーションには、そういうのはなかったんですね
陸戦用MSについては、早々にグフやドムという機種が開発されたからな。元々、ザクの陸戦能力には限界があったこともあって、ザクのバリエーションは局地戦用に留まっている
あ、それはわかりますよ。熱帯地域用に調整されたD型と、支援砲撃用のK型ですよね
それと、研究が続行されていたM型だな
M型は結局、水陸両用MSを開発するための研究用の機種でしかなかったことになるんですよね
ザクは拡張性が高かったから、他にも実験用の機種は存在していたな。リックドムの脚部ロケットテスト機であるRD型や、サイコミュのテスト機であるZ型というように、量産されていない機種も多い。G型のように、記録が少なく、実験機だったのか局地戦用のバリエーション機だったのかわからない機体もあるが
地上用のザクは配備数が不明瞭な機体も多いですよね
M型やK型などはその典型だな。地上軍は大陸間での情報共有があまりできていなかったのと、戦後にゲリラ化した部隊が資料を消去したり、持ち去ったりというのが多く、研究もあまり進んでいない。本国に届いていない生産記録というのもあったようだしな
地上軍の連絡体制は、あまり万全ではなかったんですね
特にガルマ・ザビ司令が戦死した後は、統一された指揮系統がなくなって、それが顕著になったようだな
ガルマ・ザビって顔だけの無能とかって評価もありますけど、いなくなったら困る存在だったんですね
そうだな…巷で思われているより、よくやっていたのかもしれんよ
な、なんかいつになく感傷的ですね、大尉
…なんでもないさ。次回は、そんなジオンのMSに対し、連邦軍がどう対抗していったのか、という話をしよう
いよいよ、ガンダムの開発ですね
いや、ガンダムが開発されるまで、どうやって対抗していたのか、という話だ
また艦船とか戦闘機の話ですか!?
ボールもあるぞ。一応。
以前雑誌の特集で見たことがあります。両肩に球形のアーマーを装備しているんですよね
ロールアウトしたのは、0077年8月であったという記録が残っている。だが、この半年以上前、0076年12月には、ジオン軍は地球上で運用する局地戦MSの開発を決めている。そのため、このMS-06という機種は当初から地上戦へ対応している機種となった
でも、最初のA型って、凄く配備数が少ないんですよね。実機の写真も見たことないし。何でです?
それについては、私も詳しい事情を知らない。だが一説によると、対MS戦を全く想定しないのはどうかという話が出て、近接戦装備を標準装備とする仕様が開発されることになったからだ、と言われている。
ああ、それでザクの肩にスパイクアーマーがついたんですね
そうだな。続くC型では、スパイクアーマーとシールドが装備された。これらの装備の開発には、ザク同士での模擬格闘戦によるデータが参考にされていることは、言うまでもない
なんでA型の次がC型なんです?B型ってないんですか?
ない。
あ、あっさりしてますね…実はあったけど問題があってすぐ生産が打ち切られたとか、特殊な機体のためのコードとして使われていたとか、なんかそういうのないんですか?
ないものはない。記録にも全く残されていないのだから、推測のしようもない。初めから空いていたのか、それとも何らかの理由で欠番になったのか、それもわからん
うーん、いきなりミステリアスですね
とにかく、このC型は開戦までの主力機として採用され、大量生産に入った。このC型をベースに、バリエーション機の開発も始まっている
あれ、ザクのバリエーションって基本的にF型が始点だったって聞きましたけど
後世の視点で見ればそうなるが、実際はすでにC型が完成した時点でバリエーション機は開発されている。代表的なのは、強行偵察機であるE型だな
ミノフスキー粒子下で、敵の艦船数を直接確認したりするときに使われた機体ですね
そうだ。このE型はC型から派生したバリエーションだが、後にF型ベースでも生産されている。その意味が分かるか?
えーっと、C型とF型の違いは、核弾頭使用時の放射線対策が施されているかいないかだけなんですよね
その通り。そして、E型は通常のザクから戦闘用の装備を排除し、偵察機能の強化と推進器の換装・増設を行ったものだ
つまり…E型は元々核の使用を前提としていないわけで、それはF型と同じなんですね。結局、C型をE型にするっていうのは、間にF型を挟んでいるようなものなんだ
そう。ベースがC型であっても、F型であっても、E型の機能が変わるわけではない。これは、陸戦用のJ型でも同様だ
地上で核を使うのは、リスクが大きすぎますもんね。南極条約がなくったって、元々核の運用はザクには無理ですね
地上での爆発力は宇宙空間の比ではないからな。ザクで核など撃ってしまっては、爆発に巻き込まれるのがオチだ。巻き込まれないほど目標から離れるのであれば、固定砲台からミサイルとして発射した方が遥かに早い
じゃあ、J型も元々はC型をベースに開発されたんですか?
当初はそうだ。結果的に量産される際は、先んじて量産されていたF型をベースにしていたが、研究段階ではC型をベースにしていた。その時点でF型はまだ開発されていなかったからな
陸戦型MSの研究は、A型が完成する前から始まっていたんですもんね
そう。この時点で水陸両用MSの研究も始まっていたといわれる。後にM型と呼ばれる機種の雛形だな
M-1型でしたっけ?最近連邦軍がリメイクして量産化したとかって話も出てましたね
陸戦、水中戦というのは、地球侵攻作戦を行うにおいて避けては通れない道だ。当初は陸上への降下による内陸の拠点攻撃と、水中への降下から沿岸の拠点を攻撃する2通りの戦略があったのだが、水中用MSの開発が難航したために、結局地球降下作戦は陸への降下だけに絞られた。こうして、J型の大量生産が決定したわけだ
その前に、F型が量産されていますよね。いつ頃から量産が始まったんですか?
それについてははっきりしていない。現実的に主力機として大量生産が始まったのは南極条約締結後だが、その前から、核の運用を前提としない部隊への機種として生産は始まっている。ある時に急に生産が始まったのではなく、細々と始まった生産が徐々に増えていったから、具体的な時期が記録に残っていないのだな
世が世なら、F型はC型のバリエーション機の1つでしかなかったのかもしれませんね
そうだな。まぁ、もし短期決戦で決着がつかなかったら、その時は核は使用禁止になるだろうという憶測はすでにあったから、結局F型が主力になっていたかもしれんがな
F型、J型の後は、宇宙用と地上用で枝分かれして発展していきますよね
そうなるな。F型の発展型としては、推力30%増しのS型がある。これは高速戦闘を得意とするパイロットが、F型では性能不足であると感じ始めたことから開発された機種だが、事実上の指揮官専用機として運用されることになった。これは、ルウム戦役までに活躍したエースパイロットが、ほとんど指揮官に任命されたことによるものだ
指揮官のために開発されたというよりは、エースのために開発したらみんな指揮官だったっていう感じでしょうか
そういうことだ。本来は、指揮官だけが別機種で運用するというのはあまり効率が良くないのだが、後方で指揮するS型が、緊急時には一気に最前線に出るという戦法を取る際には有効だったようだな
元々パイロットもエースが多かったから、上手く扱えたんですね
そう。逆に、扱うパイロットを考えずに配備してしまったのが、その更なる発展型であるR型だ
出た、宇宙用ザクの中で最高の機種ですね
R型はS型と違い、純粋にF型の後継発展型、つまりエース用ではなく一般兵用に開発された機種だ。だが、高性能化のために犠牲にされた操縦性や、高すぎる推力に推進剤の積載量が追いついていないという問題が、事実上熟練パイロットでなければ満足に操縦できないような機体となってしまった
ザクベースでの強化には、限界があったんでしょうか
そういうことになる。結局R型はS型以上にエースパイロット専用機となってしまい、生産も少数に留まった。設計の異なるR型は、他の機種との生産ラインの流用が効かず、無駄に生産ラインを消費してしまうことになってしまった
なんかもう、大量生産品の隅っこで職人の工芸品を作ってたって感じですね
それだけの性能があったことは確かだが、結果論としてはそのために費やした時間、経費、資源をゲルググの開発に割けば、もう少し戦局は変わったかもしれんな
まだまだザクでやれる、って思っちゃったところがまずかったのかもしれませんね
連邦軍のMSの開発スピードが予想以上だったというのもあるがな
地上におけるザクのバリエーションには、そういうのはなかったんですね
陸戦用MSについては、早々にグフやドムという機種が開発されたからな。元々、ザクの陸戦能力には限界があったこともあって、ザクのバリエーションは局地戦用に留まっている
あ、それはわかりますよ。熱帯地域用に調整されたD型と、支援砲撃用のK型ですよね
それと、研究が続行されていたM型だな
M型は結局、水陸両用MSを開発するための研究用の機種でしかなかったことになるんですよね
ザクは拡張性が高かったから、他にも実験用の機種は存在していたな。リックドムの脚部ロケットテスト機であるRD型や、サイコミュのテスト機であるZ型というように、量産されていない機種も多い。G型のように、記録が少なく、実験機だったのか局地戦用のバリエーション機だったのかわからない機体もあるが
地上用のザクは配備数が不明瞭な機体も多いですよね
M型やK型などはその典型だな。地上軍は大陸間での情報共有があまりできていなかったのと、戦後にゲリラ化した部隊が資料を消去したり、持ち去ったりというのが多く、研究もあまり進んでいない。本国に届いていない生産記録というのもあったようだしな
地上軍の連絡体制は、あまり万全ではなかったんですね
特にガルマ・ザビ司令が戦死した後は、統一された指揮系統がなくなって、それが顕著になったようだな
ガルマ・ザビって顔だけの無能とかって評価もありますけど、いなくなったら困る存在だったんですね
そうだな…巷で思われているより、よくやっていたのかもしれんよ
な、なんかいつになく感傷的ですね、大尉
…なんでもないさ。次回は、そんなジオンのMSに対し、連邦軍がどう対抗していったのか、という話をしよう
いよいよ、ガンダムの開発ですね
いや、ガンダムが開発されるまで、どうやって対抗していたのか、という話だ
また艦船とか戦闘機の話ですか!?
ボールもあるぞ。一応。
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コメント
偵察の中に重要なものに戦果確認がある。C型の核使用の戦果を確認するには核対策の装甲を持ったC型がベースでないと危ない。
核砲弾っのは存在し、走破性の高い核発射プラットフォームには意義がある。
とか思うんですが
核砲弾っのは存在し、走破性の高い核発射プラットフォームには意義がある。
とか思うんですが
2008/08/24 (日) 00:58:22 | URL | T #-[ 編集 ]
仰ることはもっともだと思います。
ただ核の戦果確認はE型でなくてもいいのではないか?というのと、
地上での核の使用は南極条約で禁止されていなくとも好ましくなかったのではないか、
という側面もあるのかな、と思います。
ただ核の戦果確認はE型でなくてもいいのではないか?というのと、
地上での核の使用は南極条約で禁止されていなくとも好ましくなかったのではないか、
という側面もあるのかな、と思います。
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